[携帯モード] [URL送信]

おもいびと
◇渇望2





何も言い返せない。

本当の事だから。

その本当の事を海斗は知っていたんだ。



どうして隠しきれなかったんだろう



「なんで………しないの?」

海斗は困ったようにおれに訊ねる。

「ちゃんと出来てたじゃん」

「忙……しくて」

理由をこじつけるおれの嘘は、頭のいい海斗には見抜かれてしまった。

「気持ちいいの……嫌い?」

海斗は、困ったような。
悲しそうな。

優しい声で、おれの真実に迫ってきた。

「あんなに……良さそうだったのに」

海斗に指摘されて、おれの足が震えた。





浅ましい自分を知られていた

厭らしい自分を知られていた





おれはショックで。

一言も返せなくなった。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!