おもいびと
◇渇望1
「おまえ………してないの?」
夏休み。
下着を部屋に干しているのを見つかって、海斗に問い詰められた。
自分でこっそり洗って。
見つからないように干していたのがバレてしまった。
それは、海斗にとっては不必要な失敗で。
自己管理出来ていないと思われて当然だった。
「違うよ………上手くいかなくて汚し……」
「四回目」
おれの言い訳を打ち消すように、無表情な海斗が指摘した。
「おまえの部屋に干してんの見るの四回目」
おれは、おれの全身がカァッと熱くなったのを感じて、きっと顔が赤くなってるんだろう……って思えた。
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