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おもいびと
◇時つ風6





冬の朝。

目を覚ましたおれは、明るい陽射しの中で自己嫌悪に陥った。



おれの頭の下には、張りのある二の腕があって、少しだけ気温が低い室内では、その体温が心地いいとか思えてしまって更に落ち込む。

触れ合う肌は全身に及んで、パンツすら穿いてない状態で昨夜の出来事を思い出した。

全然嫌じゃなかったと言うか、むしろメチャ気持ち良かった事を思い出してどうしようとか後悔しながら、性懲りもなくまた身体が反応している自分にうんざりした。



悪かったのはおれ。

先輩は悪くない。



多分、自覚しないでおれが誘った。

だから、誘惑に抗えないまま、おれに付けたキスの跡を見て、先輩はあんなに驚いた顔をして動揺していたんだ。



キスされたのは左肩。





経験した事のないチクリと痛む温かい疼きが、おれの欲を掻き乱した。



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