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爆音オルガスムス
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おれはすっかりライブにはまって。

毎日ライブハウスに通い詰めた。

ガキにとっての高額なライブチケットなんかそうそう買ってもいられないから、おれは母さんにライブハウスでバイトさせてもらえるよう頼んだ。

もちろん、それまでだって叔父はおれから金をとらなかった。
けど、それではけじめってものがないと思う。

ライブを見せてもらう代わりに、叔父を手伝いたいと申し出た。

でも、本当は。
おれは何らかの形で、その世界に関わりを持ちたかったんだ。



毎日が楽しかった。

叔父にギターを教わった。

中二に進級する頃には、いっぱしに簡単なコード運びの曲なら()れるようになっていた。

準備中にはPA盤にも触らせてもらった。

それは最高に面白くて、おれは夢中になって覚えた。

夏のライブイベントでは、叔父の友人がいるバンドがおれにPAを任せてくれて、おれはそれに応えようとこれまでにない集中力で勉強を重ねた。

おれが担当したそのステージは、最高にクールだったとバンドのひともフロアのひとも褒めてくれた。



嬉しくて。

幸せな時間。

おれは、音楽が気持ちいい。



身体だけじゃなくて、心が。
くすぐったくて、気持ちいい。



おれもいつかステージに上がりたいと思い始めて。
自分で曲を作りたくなって、母さんのピアノに久しぶりに触れた。

鍵盤が重く感じて、随分鈍ったんだなと自覚して、一から復習ってやり直した。



やりたいことがたくさん出来た。

もっと音に触れていたい。
もっと時間が欲しい。


おれはいつの間にか、快感だけではないところで、音楽の心地よさに夢中になっていた。


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あきゅろす。
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