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おおふり
タカレン もっとキスしたい



「三橋、早くしろ。閉められずぞ」
「うっうん」

ちまちま
イライラ
ちまちま
イライラ

「来る時は入ってたんだろ!かせ!」
「あっ」
「いいか、これをこおしてこうして、しっかり畳めば。どうだ!」
「おお!!あっ阿部君凄い」
三橋がもたついていたのは、荷物まとめだった。
今日はいつも以上に焦って、なかなか全てが入らない。そうこうしているうちに、皆先に出て行った。
阿部と三橋は二人っきりだった。

「お前、何か変なもんでも食べたんじゃ?熱あるか?」
そう言って手が伸びて来たので、反射的に避けてしまった。

『そんな、避けなくてもいいのに』


部室を閉める時間は、当に過ぎていたが待っていてくれた。

「ほら、もたもたすんな出るぞ」

そう言って、阿部は無意識に三橋の手を掴んでぐいぐいと連れて出たのだった。
自転車置き場に行くと、皆まだたむろしていて一緒に帰る事になった。
だんだん人が少なくなって、いつも阿部と三橋が別れる所に来た。

「あっ待って阿部君、はっ話が」
「今日じゃなきゃ駄目??」

「……うん」
「分かった」
そう言って阿部は、一度跨った自転車から降りてとめた。
自転車を持ったまま、固まっている三橋に
「何?」そう話かけた。


「阿部、三橋。また明日な」


「おう」
「うん」
田島は、先に帰ってしまった。

遂に二人っきりだ。

「で……?今日の投球には文句はないけど。
あったら言うし、オレのリードについて、言いたい事があるとかか?」

「今日は、オレ話があってそれで、二人っきりになる時間が欲しかったんだ」

「じゃあ、まさかお前」
イライラ
「おっ怒らないで」

『また顔に出てたか?成長しないなオレも』

「オレ、きっ嫌われるかも知れないけど、言いたい……だから!!」

「何??」
「阿部君が、好きなんだ」

「なんだ、知ってるよそんな事」

「ち違うくて、そういう意味じゃなくて」



「えっ、じゃあ。何男として好きって事??」

「……うん!」
『しっしまった〜、先に言われた。でも三橋が、言うからには嘘はないはずだ』



「あっ阿部君?」

「三橋、本当にお前がオレの事好きかどうか、キスして確かめようぜ」
そう言って、近寄ると突然の事で固まった三橋。こっちを見入っていた。


「お前からしてみて」
「えっ!」
「早く、じゃなきゃ今の告白忘れるぞ」
「そっそんな……」
「ほら、目〜瞑っててやる」
目を瞑ると、何だか恐くなった。


『今の告白は、本当は罰ゲームで言わされてて、あいつらが皆その辺で見てるとか、有り得る。その場合キスはないだろうしこうしてる間に、三橋は帰る筈だ。』


そんな疑いをかけていると、そっと頬に手が触れて来る。

『三橋はやっぱり本気なのかも……、手が冷たい。緊張してるのか?』

「うっふっ(涙)」
「えっ!?三橋、お前……」
三橋は、顔を真っ赤にして泣いていた。

「ごめっ、オレ恥ずかしい!」
「三橋」
まだすぐそばにいた、三橋には簡単に手が届いた。
腰に手を回して、あごを取って軽く口付けた。

「気持ち悪い?」

ふるふる

「ううん、気持ち良いよ阿部君」
「!!じゃあな!!!もう解散、明日な」
「まっ待って阿部君!」
「……オレもお前が好き///」
「///」
「照れんなよ、じゃあな」

「うん」


阿部帰り道

『あ〜、本当はもっとキスしたかった。……てーか、あいつの唇どんだけ柔らかいのよ!予想以上に良かった』


三橋帰り道

『阿部君、一度しかオレに触れてくれなかった。
物足りない。明日はもっと阿部君に…///』





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あきゅろす。
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