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結界師
正X良 夜空の向こうのあいつ
「ヘクシュン、あ〜」

「色気の、いの字もないね。」

「斑尾、もう今日は終わりしようぜ。来ないよ、アヤカシだってさぶさで出て来ないよ。」

「適当な事言って〜まだ来てさほどたってないだろ。しっかりしな!!」

冷えて赤くなった掌に自分の白い息を吹きかける、そして少し遊んだ。

冬の澄んだ夜空に息をはいた、何度も。

「本当に来ないな、アヤカシ。」
「本当だな。」ドキ!!「あっ兄貴!!何で!!
てーか気配消して近づくんじゃね〜よ。」
蹴りをお見舞いしてやりたかったがひらりとかわされる。

斑尾は兄貴が好きじゃないから退却。
白尾と時音が気がついてこっちに来た。
「正守さん、帰って来てたんですか?」
「うん。ついさっきね。」

「…」

「…」


時音と兄貴の結界についての話が始まった。

俺は遠目で斑尾と一緒に眺めた。
『楽しそうに話やがって……、何でこんな気持ちになるんだ。
俺は……兄貴のバカ野郎。』
そんなもやもやを抱えながらあくびをするとビッと乾いた唇の端が切れた。

「痛って…」
「あんたちゃんとケアしないからだろ。」
「うるさいな。」「わたしゃ先に帰るよ。
良守ももう上がりな、今夜はもう来ないよ。」
「うん。」


正守と時音のお喋りも終わって時音が白尾と帰って行くのを見た。


『もう一回だけ見回っておくか。』

「わっ!!」背中に重い温かいものが乗っかる。そろりと顔を覗く、誰だか何て分かってるけど「良守…」と囁き正面から抱き締め直した

「あにき??」ギュッと抱き締められたと思うとあごを捕まれて舌を唇の傷に這わされる。
痛いけどくすぐったく感じた。
「っ…、あっ。」そのうちに舌が入って来た。
「んっ…んんっっあっハァハァハァ」傷からの血が兄貴の唇にもついてた。
兄貴の体から離れて唇を触った

「やめろよ、切れてるから。」
「ちゃんとリップとかつけてるの?」
「そんなの、使わない。」
「これ、あげる。」
「リップクリーム??」手渡されると思って手を伸ばすとその腕を引かれてまた兄貴の腕の中「塗ってやるよ。」
「いいよ!!」
「いいから、怒鳴るとまた切れちゃうよ…黙って。」
ヌルっとリップクリームを塗られた。

ドキドキした、女になったみたいだった。
「これはあげるからちゃんと毎日つけて。」

「分かった。」
「じゃあな、さっさと帰って寝なよ。お兄さんは今から仕事に戻ります。」
そう言って結界をはる
「次いつ帰って来る??」「可愛い事言うね。分からないよ、いつになるかは。」
こういう回答が返って来るのは分かってた、でも聞きたかった。


「今度来る時はちゃんと最後までしてやるから期待しといて。」
「きっ期待なんて、するか!」
「ちゃんと治せよ、そうじゃないと存分にキスも出来ない、良守嫌がるだろ。まぁ、嫌がってるのも好きだけどね。」
「バカじゃないの、さっさと行け。」
「それが無くなる前に会いに来るからさ。」
「またな。」



またなっていつだよ、バカ兄貴優しい言葉かけてんじゃねーよ。
がらじゃないだろ。



そしてまた良守は澄んだ夜空に息をはいた。




アトガキ
Hなしですか!!
自分でもびっくりですが、やっぱり裏の方が正守と良守ぽいですね。
読んでくれてどうもです。

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あきゅろす。
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