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放課後(仁王)
放課後

2人きりの幸せな時間

この時だけ  彼を独り占めできる


放課後

彼と付き合い始めて今日でちょうど3ヶ月。

せっかくだから≠ニ  少ないオフの時間を割いてくれて
今日は2人で放課後デート…

モテる彼と付き合うのは苦労も多い
けど、それも気にならないほど今は幸せだ…

ただ……ひとつ気になっている事がある…
それは   さっき教室で友達とこんな話をしていたからだ…

…………………………………………

『え〜ッ!?付き合って3ヶ月でキスもしてないの!?』


『こ!声が大きいよ……そんなに変…?』

『いや〜だって  あの仁王だよ!?そんなに奥手には見えないし…
モテるから弥生が最初の彼女ってわけでもないでしょ??』

『…………彼女が居たかなんてわかんない……今だに出身地も教えてくれないのに……』

『え〜!?そうなんだ…………でもまぁ、人それぞれだし?』

『……………………………。』


……………………………………………………


…………彼とは  私から告白して付き合い始めた

私は  随分前から彼に憧れていて
三ヶ月前………玉砕覚悟で告白したら  まさかのOKだった…

今だに  なぜ  彼が私を選んでくれたか分からない…

 もしかして  キスしてくれないのも
私のことを  好きじゃないからなのかもしれない……なんて不安だ…



『………どうしたんじゃ?……ボーッとして…』

『ご、ゴメン!…ちょっと考え事…』

『ほう……せーっかく2人でおるのによそ事考えてるんじゃなー』

『…………………違うよ……雅治くんの事………』

『一緒におるのに…なんで俺のことを暗い顔で考える?』

『……………今日で  付き合って3ヶ月だよね……』

『だから今日 デートしておるんじゃろ?』

『そうじゃなくて……なんで  私なのかな……って考えてて…』

『……は?』

『雅治くんだったら私じゃなくても  よりどりみどりでしょ?
………なんで私と付き合ってるのかな…………って……』

『……………………弥生…!!』

急に雅治くんは私の手を掴んだ

『………こっち  きんしゃい』

そう言うとスタスタと早足で進み始めた…
雅治くんの顔は良く見えないけれど………
声のトーンはいつもより低いし
手を掴む力は痛いぐらいだ……

……明らかに怒っている……

気に障ることを言ってしまったらしい……
不安になりながらも  なすがままに連れられて行く………



しばらく歩いた所の公園で
やっと歩みが止まり  掴まれていた腕も離された…



『……あの……雅治くん…………なんか怒ってる……??』


それを聞いた雅治くんはゆっくり振り返る…
……………その顔は  悲しそうな顔をしていた…

『……そりゃあ  怒るじゃろ??』

『………きゃ!!』

私は両手を掴まれて壁に押し込められた

『……なんで………付き合ってるか、なんて聞いてきた………?』

いつもの雅治くんとは違う  怖い顔…
今までこんな顔を見たことがなかった……

『…………………今日、友達に三ヶ月付き合ってるのに
キスもしてないのは  おかしいって言われたの………
だから……私の事…好きじゃ無いのかなって不安になって…………』

雅治くんは  最初は驚いた顔をして私を見下ろしていたが

………一度  目を閉じると
今度は不敵な笑みを浮かべた

『…………………なるほどの……じゃ……不安にさせた俺が悪いな』

不意に雅治くんの顔が近づき
近距離で見つめられる

……金色に光る瞳を見ていると吸い込まれそうで動けなくなる…

『ーーーーー!!!』

唇と唇が重なる…
それだけでも驚いたのに
雅治くんは角度を変えて…
何度も何度も唇を奪ってきた………



『………………満足したじゃろ??』

吐息を漏らしながら甘く囁やく彼に頭がクラクラする……



『………ま、さはるくん……』

『…俺は弥生が好きだ……不安にさせて悪かった…』

『……………………私も大好き…!!』

『さーて……弥生………覚悟は出来ておるんじゃろな…?』

『……!?』

『…………こっちは三ヶ月ずーっと我慢してたんじゃ……
もう  手加減せんからな?』

『……………ちょっと……だ!ダメ……!!』

『おっと………もう…逃がさんぜよ』



………………………………………………………


誰よりも
どの時間よりも

幸せなで贅沢な時間

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あきゅろす。
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