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世界でいちばん大嫌い
それからの、俺たちは
あれから半年。
俺は一度も骸に会っていない。











正確に言うと、会うことはできなかった、かな。
そう心の中で失笑した。



あの日から俺は毎週金曜日、黒曜に行った。
なぜ、金曜日かというと、その日は獄寺くんも山本も用事で俺と一緒に居られないということと、あの日が金曜日だったからだ。

別に曜日なんてどうでもいいとは思ったけど、いつも金曜日になると無性に彼のことを思い出して、足が勝手に黒曜へと動き出すのだ。

すると次第に金曜日に黒曜にいくことが俺の習慣となってしまい、毎週行くようになってしまった。




だけど、半年間、毎週金曜日彼に会いに行っても、彼が俺に会ってくれることはなかった。




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「今日も、骸出てこれないの?」

目の前の華奢な少女にいつものように俺は尋ねる。するとその少女は申し訳なさそうにコクリと頷いた。
「骸さま、ボスのことが嫌いなわけじゃないと思うの…ただ…」

「いいって。気にしないでよ、クローム。俺が勝手に来てるだけだし。」
そういってクロームという骸の分身でもあるような少女の頭をそっと撫でると彼女は擽ったそうに笑った。

「うさぎちゃーん。また来たんれすかー?」
犬さんが飛びつくように俺のそばによってきて俺をギュッと抱きしめる。

「いでででで!犬さんっ!痛いです!」
手加減しない犬さんのスキンシップに抗議するも、彼は聞く耳を持たない。

「はー。やっぱうさぎちゃん落ち着くびょん。」
そういって俺の頭にすりすりと顔を寄せる犬さん。
毎度、毎度来るたびにこのような熱烈な抱擁を受ける。

その光景をいい加減に見かねた千種さんがゆっくりと立ち上がり犬さんをべりっと引っぺがす。
「なにすんだびょん!?」

「犬、ウザい。ボンゴレ、骸さまならいないが、ここにいるならあそこに座っているといい。」

そんな感じで千種さんはいつも犬さんを軽くあしらって、俺を簡単にもてなしてくれた。

*+*+*+*+*+*+*+




あれだけ怖くてしかたなかった黒曜の人たちも今ではすっかり仲良くなってしまった。

まぁ、あんなに通ってたら仲良くなるよなぁ…。


そう回想をしつつ、一人の帰り道を歩く。



あ。今日、金曜日だ。
黒曜に行こうかな…



息が白く染まる。
もう冬だ。
あんなに雨がじとじと降っていたのに、今では雪がハラハラと舞い、地面にふれしっとりと溶けていく。



季節が過ぎるのが早いのか。
俺の時間が進むのが早いのか。




とにかく半年はあっという間だった。


冷え切った手に息をはぁーっと吹きかける。
指先は寒さのため真赤になっている。

「さむっ!」
あまりの寒さに独り言をいいつつ、早くあったかいとこに避難しようと黒曜へと足を速める。


そのとき、俺は寒さのためいつもより注意散漫だったのかもしれない。






いつも渡る横断歩道でキキィ――――ッとブレーキ音が響いた同時に、体に衝撃が走り目の前は真っ暗となった。












*

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あきゅろす。
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