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世界でいちばん大嫌い
好きにしていいよ  
突然抵抗という抵抗をやめた綱吉に骸は吃驚した。
快楽に負けて、とかではない。
明らかにその行為自体は嫌がってるくせに、目の前の小柄な少年は抵抗はしなくなった。

諦めたのか―?

太腿を愛撫する指を止め前にいる少年に問う。
「なぜ抵抗しないんです?」

すると少年は目をゆっくり開けてほほ笑んだ。
「骸の、好きにしていいよ。」

「っだから、どうして!?」
なぜ、君はそうすべてを許す!?
なぜそんなに甘い!?

君の甘さをみる度反吐がでそうになる。
しかしそれと同時にその甘さをとてつもなく愛しく思う自分がいる。





あぁ。
そのことがこんなにも僕を苛立たせるのだ。






「骸が、優しいから。」



「は?僕のどこがやさしいんです?今だって君をこうやって犯してる。こんな僕のどこが!?」


「骸の手も眼も唇も全部あったかかった。本当に嫌いなら、そんな風に人は人に接せれないよ。」
そういって少年は力弱くほほ笑んだ。


「俺が骸にできることなんて、ほんと全然ないけど、骸が俺を抱くことで骸の気持ちが軽くなるなら、それもいいかなって思ったんだ。」


ただそれだけだよと天使のように笑った。






どうして。

わかるんだろう。

この子は僕のことを。




僕は彼の体を起こしギュッと抱きしめた。



「あなたなんて嫌いです。」

「うん。」

「あなたなんて嫌いだっ」
骸の指が服の肩の部分を掴む。
「うん。」
俺は骸の頭をポンポンと撫でた。

「嫌いです。」
彼の口からつぶやかれるその言葉は彼にとっての呪文のようにも聞こえた。
「わかった。」

「そのすべて見透かした目も、その甘さもすべて、僕をいらつかせる。」

「そう。」

骸が俺を抱きしめる腕にさらに力が込められた。

俺は息を吸い込み、つぶやくように囁いた。
「でもね。骸…。俺は骸が好きだよ。骸が俺を嫌いでも…」

自分で言ってて虚しくなるが、俺は骸に何をされても嫌いにはなれないのだろう。

それほどまで、この目の前にいる藍色の髪の男を愛しく思っていた自分に少し驚いた。

そしてもう一度骸の髪を撫でた。


すると骸は俺を強く抱きしめたままの状態でなにも喋らなくなった。


そのまましばらくの時間が経過し、俺の背中に生暖かい滴が伝い落ちたのが分かった。






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あきゅろす。
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