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世界でいちばん大嫌い
あまりにも短絡的な思考に
俺が骸に覆いかぶさられてるのに気づいたのはその数秒後だった。


「む、くろ?」
俺は目が点になったまま、目の前にいる『知ってるけど見知らぬ男』を見つめた。

その『知ってるけど見知らぬ男』は感情の篭らない作りもののガラスの笑顔を浮かべたままこういった。

「僕は人間なんて嫌いです。それがマフィアならなおさらだ」

胸がチクンとして、体から力が抜けそうになった。

そんなこと、わかってたけど…
それでも面と向かってこういわれると…



辛い。




俺が何にも言えないままでいると骸は、左手で俺の顔を優しく包み込んだ。

「だから僕は君が、ボンゴレのボスである君が世界で一番大嫌いです。」


そういって骸は俺に顔を近づけ、唇を俺の瞼に落とした。




「…嫌いです、君なんか。」


そのまま、骸は俺の上に倒れ込んだ。

俺はもちろん自分も悲しかったけど、骸が泣いているような気がして、骸の頭をそっと撫でた。

まるで母親が泣いている子供をあやすように、やさしく、リズムをとって。


そのまま結構な時間がたったような気がした。
雨がいつしかあがったような気がする。


そろそろ帰らなきゃ。



そう思ったとき骸が急にガバッと起き上がった。


「骸?俺、そろそろ帰…」
「何故優しくするんです?僕は君のそうゆうところが嫌いです、大嫌いだっ」


そういって骸は片手で俺の両手を握り、俺の頭の上で固定させた。

「…骸?どうした、んっ」
いきなり目の前が真っ白になった気がする。


なんで?



ってゆう言葉だけが頭のなかでこだまする。


唇に骸の唇が押し当てられていた。

つまりキスをされていたのだった。

始めは触れているだけのキスだったけれどだんだん深いそれへと変わっていく。
口を閉じつづけることが不可能になった俺は酸素を求めるために口を開けた瞬間に、骸の長い舌が口の中に入ってきた。


クチュ ピチャ

卑猥な水音がだだっ広い部屋の中で響き渡り、俺の思考を蝕んで行く。


「んっ…ふ、あ…」
声にならない小さな音が口から零れてくる。

骸の口はまるで俺の口を食べてしまうかのように深くくわえていた。


俺の口では飲み下しきれなかった俺と骸の唾液が淫らにも口から流れていた。


ようやく、骸が俺の唇から離れたとき、俺の思考はガタガタで、朦朧としたまま目の前の男に尋ねた。


「ど…うして?」


「僕は君なんて嫌いだ。だから…」


だから…?


骸は言葉を途中で切り、俺のワイシャツの中に手を入れた。


そしてそのまま俺の小さな突起に触れ、弄り始めた。

「…っ、なにするっ」


骸の顔を見たけど前髪で隠れてよく見えなかった。



「…だから。嫌いだから、君を犯す。」




止んだはずの雨がまた降り始める音が聞こえた。

*






何を言ってるのかわからなかった。

嫌いだから?



だから犯すの?



どうして?



そんなひどいことを





嫌いならそれでもいい







でも、こんなひどいことって…






俺は





骸が好きなのに…






頭のなかでいろんな疑問符とそれに対する終わらない答えが巡っている。
骸の気持ちが知りたくて彼の綺麗なオッドアイを見つめたけれどその瞳には恐怖と絶望の淵にいる自分自身が映っているのが見えただけだ。


骸の綺麗な指が俺の体を這っていく。そして胸の突起をきゅっと摘んだ。

「やっ、やだ!そんなとこさわらないでっ!」

抵抗する俺の体を骸は体全体で覆いかぶさることで、動けなくさせた。
そして俺の口を黙らせるためにもう一度深いキスをした。

「ん、んんっ、ふ、はっ。んんんっ。」

何度も交わされる口づけは甘く愛されているような錯覚を覚えるけど実際はそうではない。
骸は俺のことが嫌いなのだ。
そして、嫌いだからこそこうやって無理やり行為を強制している。

骸はさっきまで胸をもてあそんでいた指は下のほうに這わされ、ズボンに手をかけた。
そして一気に脱がされ、俺の秘部が露わとなった。

「あ、…やだっ!!見ないで!やめっ、あ、や、やだぁっ!!!!」

骸の綺麗な口に俺の半身が咥えられていて、そのまましゃぶられる。


やだ。



いやだ。



怖い。




いやだ。



恐怖と快楽が入り混じった妙な感覚が体を襲う。
俺は涙で前が見えなくなって、世界がかすんで見えた。
「ふ、やだぁ…。ぅっ、やめて…」

俺はそのまま涙を流し続けたが骸がその行為をやめることはなく、俺はあっさりと体の快楽に負けて達してしまった。


するとぼんやり、恐怖と、快楽の
淵から意識が戻ってきた。


…痛く、ない。


押さえつけられた腕も、愛撫する指も、キスも口淫もすべて。



骸は、俺を「犯す」とか言ってるけど、骸の触れるところはすべてあったかかった。
優しかった。

そうか…。


骸も苦しいんだ。
ただ俺が嫌いで、俺を壊したくてやってるんじゃないんだ。

自分の中で煮え切らない何かを解消したくて、その結論として俺を犯すことに行き着いたのなら、俺は彼のなすままになろう。


彼にとって一番よいことをしてあげたい、と俺は確かに思った。
























*




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あきゅろす。
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