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PINK(完)
4




「…何?」



「何って、
随分冷たいじゃん。

あんた、自分がいけない
ことしてるってわかって
る?」



「あなた、
私のことを脅してるの?

私は何もやってないわ」



「いや、
あんたの行動、俺見てた
から




あんた、花泥棒だろ?」








「は?」


「人の花を盗んでる」


「これは人の花じゃないわ」


「何いってんの、

それ全部俺が育てたんだけど。」




「え?」



この定まらない花達を、
このわけのわからない
ピンクの髪をした少年が
育てたっていうの?





このわけのわからない
人とかかわりたくない。





「それは、
本当にごめんなさい。

あなたの花だったなら
もうこの花壇に近寄らないわ。



それじゃあ、私、
帰ります。」









そういうと私は
さっさと地面に置いてあった今日、復習をしなければ
ならない教科書の入った
自分の鞄を持ち上げると
元のきた道へ

引き返すことにした。





秘密の花園は、
私だけのものではなかった。

人のものだった。

しかも
こんな奇抜な髪色の少年の
ものに私は感動していたと
いうことか。



でも、
もうここには関わらない
から大丈夫。



普遍的な1日を
また過ごすだけ。

一時の思い出。




逆にいえば、
他の花壇の花達と合流
出来たのだから、

ボランティアみたいなモノだわ。





そんな風に、自分を
正当化して私は彼の前を
そそくさと通り
過ぎようとした。






でも私は、
とても自分に甘かった
みたいだ。




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