Present Novel
純情ひまわり
｢お前は、
今何考えてんの？｣
藤堂さんが何も喋らない私の顔をしゃがんで覗いた。
｢気付かない振りをして、彼女達は傷つきますよ｣
｢いちいち、
奴らの気持ちに応えてたらキリがねぇよ
それに、同情だけじゃ人なんか好きになれねー。｣
｢でも、｣
｢良いからガキは
人のこと心配してないで、勉強でもしてろ｣
藤堂さんが私のことを
面倒くさそうに見た。
｢でも、｣
｢うるせーよ、お前も帰れ｣
最後の一撃は
私の胸に突き刺さる。
｢藤堂さんは、冷たいよ。
応えられなくても、人は
自分の気持ちを相手に理解してもらいたいんです
気付かない振りだけはしないであげるべき‥｣
私が言いおわるか言いおわらないかと同時に藤堂さんが向日葵を握った私の右手を強く掴んで、花屋の奥に連れてった。
｢いたい｣
私が言うと、
握った手をバッと離した。
｢じゃあ、お前は‥｣
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