[携帯モード] [URL送信]

Present Novel
ブルーハワイの誘惑



久しぶりに、近所の夏祭り
に行った。受験やら何やら
で最近は忙しくて遊ぶ暇すらなかったから、


たまには息抜きにもと、うちの弟に家を追い出されしぶしぶ参加した。





息抜きのつもりだった。
だったのに、あいつに
会ってしまった。









「たけち先輩、ですよね?」








夜店がぎっしりと並んでる
道を歩いていたら、後ろ
から声をかけられた。





瞳をキラキラにさせて、
髪の毛をおだんごにさせて
はっぴを着て、白い鉢巻き
を付けたこ焼きを持った、
今もっとも会いたくない、
あいつに会ってしまった。






「人違いだ」




一言そう言って俺が背中を
向けてまた歩きだしたら、
思いっきり肩を掴まれた。




「いや、
んなわけないでしょ!!

だって昨日会ったばっかじゃないですか!!!」






「いや、
俺はお祭りモード全開の女
なんか知人にいませんし」




そう言って頭を左右に
振ってみる。






「何言ってんですか!!
先輩こそ甚兵衛着て、かき氷持ってんじゃないですか!!!」







「んなっ、
これは、受験の息抜きにと
俺の弟がだなぁ‥‥」





「え、武山先輩も、
来てるんですか!?」






小山アスカこと、
お祭りモード全開のこの女
が、キラキラにさせた瞳を
より一層輝かせて、俺を、
見た。




俺はこいつのこの目が
苦手だ。






「来てねぇよ」






「なんだー
目の保養になると思ったのにー」





ショックそうに、小山が
肩を落とし、それから俺の
かき氷を奪う。






前*#次

4/10ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!