Present Novel
If×If
「おじさんこそ、
彼女居るんですか?」
「いませんけど何か」
「好きな人は?」
「いますけど何か」
掃除をしながら山田が言う。文月は洗面所の石鹸を入れ替える。
「どんな人なんですか?」
「ツンツン」
「髪が?」
変わった趣味だなと文月は山田を見る。
「いや性格」
山田がすぐに訂正を入れる
「ツンデレとかいうのではなく…?」
「デレがないんだよアイツ」
山田がブラシでゴシゴシしながら、
「文月君はー?」と言う。
「教えませんけど」
「はぁ?
教えてくんないの?」
「秘密主義ですから」
「ちょっ…、
俺普通に言ったのに?」
山田が文月を『言えよ』という顔で見る。
お茶らけているように見えて目が笑っていない。
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