Present Novel
If×If
「胡散臭いって
‥どこからそんな‥‥」
「まず名前。」
文月が山田一郎を睨むように見る。山田一郎は怯まない。
「完全に偽名」
「いや本名だけど」
「完全に偽名。どんな手を使ったのか知らないけど、ありふれた名前すぎ」
文月がそう言うと、
山田一郎は、『まいったな』と一言呟くと、セリフとは矛盾した顔で笑った。
「‥‥ここで
本名は言えないからね」
「どうしてですか?」
「どうしてでしょう」
山田は肩を竦めてみせる。文月は小さく舌打ちをした
『やりにくい。そもそもこの人とは話が合わなそう』
口には出さないものの、
そういう目で文月は山田を見る。
ジェネレーションとかそういう問題ではない。
お互いにあまり自分の事を話したくないのだ。
否、
自分は面倒臭いだけだが。
前*#次
無料HPエムペ!