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Present Novel
悪魔の罠にかかる時




私はさっきの言葉が、相当ショックだった為、





「拓郎、
私…、ブスなんかなぁ」






と呟くと
拓郎はすぐにチーズドッグを食べ終わり





「いえ、全く」





と返し、私の頭を撫でて





「誰かに言われたか?」




とやはり優しい口調で言われた。




その言葉は、本当に優しさが詰まっていて妹や弟達が今どこにいるかも分からない、ましてやうちらの会話を聞いてるかもしれないのに、そんなこと気にする余裕もなく




涙がとめどなく溢れた。
その間も、拓郎は、優しく笑って





「お前、昔から泣き虫だよなぁ。おまけに、貧乳だし、まだ彼氏いないんだろ?」




とか言ってきて






「うるさいなぁ。じゃぁ、
私の彼氏になってよっ」






と半ば投げやりな気持ちで言うと






急に拓郎に引き寄せられ






「そのつもりでしたけど、
今まで」






とまたもや、
思いもよらぬ、言葉が
帰ってきた。





「なぁ、なこ。
俺がかなりの計画犯で、









例えば今日お前達がプールに行くことをお前の親から聞いていて、





俺の友達使って
お前にひどいことして





それを俺が、
落とす為に、全部仕組んで
やってたとしても、





俺と付き合える?」








「なんで、




そういう事、隠さないで
言っちゃうのかなぁ」









「そんなん、
お前にそれを言ってもお前なら俺のとこに来ることを知ってるからだよ」







「なんか、嫌だな、見透かされてるみたいで…でも






幸せだから、もういいや」






私が泣き笑いで言うと






「あー、でもこんなに泣かすほど、傷つけろなんて言ってないから、





あとであいつのことボコッとくわ」






「良いよ、別にもう」






「いや、許さない」






「でも、拓郎が仕組んだんじゃん。」





「‥‥」





「それに、拓郎の優しさにも半分くらい、いや半分以上泣かされたし、私」





「あ、まじで」







私達がそんなことを言ってると妹と弟達が大量の飲み物を持って走ってきた。





「可愛いからって、
サービスでもらったのー」





「いや、貰いすぎだろ
お前達」






拓郎が笑う。





私も笑う。





妹と弟達が、
トコトコ走ってくる。






以外に今年の夏は
捨てたものでもないかも
しれない。





そんなことを思った。





拓郎が私を見た。
目がまた合った。






ニヤリと笑った。







END.






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あきゅろす。
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