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ー青空の下でー
9







宮本君の教室まで付くと、
すでに宮本君は友達と、



喋っていて、



その声が大きくて
聞こえてしまった。







「何それー!!
カップケーキ!?」







「うん」







「ちょうだいっ!」







「やだ」







「何で!?



いつもなら圭二、
くれんじゃんっ!!!」







「これは、ダメ」







「ケチーーーーーーーーー」







「俺、ケチだもん」








そんなことを2人が
言ってると宮本君が廊下に
いる私に気付いて、




近くまで走ってきた。











「大下先輩」








「宮本くん…」








「どうしたんですか?」







にこりと笑う宮本君。



その笑顔が妙に胸に、
突き刺さる。






「私、








無理させちゃったよね…」







「え?」








「お世辞でも美味いって
言えないのに…美味しい
とか言わせちゃったし、





やっぱ正直に言って。
まずいなら、持って帰るし
!!今度代わりにジュース
とかおごるから」








私がそう言うと、
宮本君は窓の方を見た。








そして、








「…正直最初、
甘いなとは思いましたよ」







舌を出す宮本君、
そんな宮本君に私は謝る。







「でも!まずくなんかない
です。







俺にとって大下先輩の
作ったものなら、







どんな物だって
最高級に美味いんですよ」







「‥‥」








「それに、
恋の味って知ってます?」







宮本君が急に
女の子らしいことを言う。







「恋の味?」








「そう。恋の味は、
言い表わせないぐらい、
甘いんですって!





だから、このカップケーキ
食べた時に
これよりずっとずっと
甘いのが恋の味なのかなぁ
って…







そしたら全然甘くねぇ
じゃんって思ったんです。







って、俺何、
メルヘンなこと言ってん
ですかねっ…」







「あはっ」








宮本君があまりにも突然
可愛いことを言いだすから
私も思わず笑ってしまった








そんな私の顔を見て、
宮本君が下を向いた。








私が、どうしたの?








と聞くと、
「いや別に」と、宮本君が
また窓の方を向く。
















青い雲1つない快晴の空に
飛行機雲だけが、





取り残されてうつっている






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