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黒アシュ黒ルク合同誌小説サンプル
翼麗担当の小説サンプルです。

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 俺を認めねぇ、自分勝手な奴らと別れて数月が過ぎた。
 こう書いたら分かりにくいか? 俺には演技の才能は残念ながら無かったみてぇだ。髪を切って変わるとは言ったものの、俺が悪くもねぇ事を反省なんて出来ねぇ……だって俺は師匠に操られていた訳だろ? それでもうっせぇあいつらは人に延々と罪がどうたら言ってきやがる。いい加減うんざりだっつうの。……そう思って一人あいつらの元からでてきた。
 それでも付いて来やがったのがこの
「みゅ? ご主人様、何を書いてるですの?」
「うっせぇブタザル。こっち見てんじゃねぇよ。」
「みゅぅう……。」
 そう、このブタザルこと、ミュウだ。
 しゃべり方がウザいけど、まぁあいつらよりはマシだ。間違いねぇ。
 最近日記もご無沙汰だったしーー記憶障害は起きねぇ訳だ。元々記憶を失った事なんて俺には無いの
だから。ならタルいだけだろ?ーーそろそろ書くのも億劫になってきたな。まぁ、また気が向いたら書くか。

  願うモノは何か。

 ルークはそう書くと日記を閉じ、ペンを挟み込んで道具袋にしまった。
「ご主人様。もう良いですの?」
「……行くぞ。」
「はいですの!」
 立ち上がり、先ほどまでもたれかかってた木の周りをくるくると回っていたミュウへ呼びかける。体の割に重そうな頭にも関わらず、ひょいと軽くルークの肩に飛び乗ってバランスを整えた。
「何処に行くんですの?」
「テキトーだっつうの。取り敢えず言えんのはあいつらの所じゃねぇどっか。」
 本当は被験者共全て居ねぇ世界に行きたい。けれどそれは不可能であり、唯一実行可能だとすればヴァンの計画に乗るしか他に無い。……一度、こっぴどく裏切られた、今現在一人でいる要因を作った人間に誰が好き好んで付いて行くだろうか? 少なくともルークには出来なかった。
 そんな細かい部分までミュウは理解しているかは謎だがーー否、理解してる筈は無いだろうーー、はいですのと笑う声やふわふわとした毛が頬に当たってルークは微笑みながら歩を進める。少しでも鬱陶しい、自分の事で精一杯な奴らーーヴァンも含め、元仲間達ーーから離れる為に。





あきゅろす。
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