「和泉くん朝食できましたよー」
やはり返事がないと、小さくため息をつく真雪はドアを開け、カラフルな部屋で眠る和泉に近づいた。
「和泉くんご飯出来ましたよ。起きて下さ、いッ!?」
ベッドを覗き込もうとするとそこから腕が伸び、真雪は身体が引っ張られそのままベッドに飛び込んだ。
目と鼻の先には、寝癖のついた和泉がニヤついて笑っている。
「いい和泉くん!何を」
「元気なったか?」
「う……はい、昨日はごめんなさい。皆さんのおかげで元気になりました、ありがとうございました」
「そっか、もう無茶なことすんじゃねーぞ」
和泉は真雪の頬を摘み悪戯っぽく笑う。
「わはりまふぃたー」
「ぶはっ、何言ってんのかわかんねーよ。飯出来たんだろ、行こーぜ」
和泉はベッドから勢いよく起き出し、うつ伏せに沈んでいる真雪を起こし上げる。
「和泉くんが私の頬を掴むからですよ!」
「へーへー、悪かったな」
全く悪びれた様子のない和泉と、拗ねた真雪は廊下に出た。
「これから榊さんを呼びに行ってくるので、先に行っててください」
「榊なんて放っておいても来るから、行こうぜ」
ライカと同じ事を言う和泉に真雪は苦笑いを浮かべ、和泉の提案をやんわりと断り、榊の部屋に向かった。