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愛しき殺し屋
side男達2


「ターゲットは木嶋組幹部武島康徳。柳川建設を食い物にしてる寄生虫です。武島が御堂夫妻の自殺工作をした人物。柳川建設社長、柳川明。武島に色々と裏での暗躍を依頼していた人物で、御堂尊の操り人形と化した愚か者」


ターゲットとなる人物を淡々と読み上げていた榊の声が止まり、細く息を吐いた。


「御堂建設部長御堂尊。内部から柳川建設に通じていた。……真雪の従兄弟、そして真雪を凌辱した男。前御堂社長の財産と、真雪を手に入れるために今回の計画を柳川建設に持ち掛けた黒幕です」


そこに居た男達が一斉に榊に視線を集める。
微かに漂っていた緊張感のある空気から、一気に張り詰めたものへと変わった。

ある程度の予想をしていた榊は無言で頷き、資料を閉じた。


「榊……なんだよそれ、御堂尊って奴に真雪やられたのか?本当なのか?」


沈黙を破った和泉はギリギリと握り拳を震わせ、怒りを露にする。


「本当です。先ほど真雪の口から直接聞きました。それが家を飛び出す、決定的な出来事だったようでした。おかげで、こちらは間違った結果を出さなくて済みましたよ。柳川建設が黒幕だとばかり思ってましたから。裏も取りました。黒幕は御堂尊、なかなかのやり手です」

「真雪ちゃん……」


悲しそうな瞳で真雪がいるであろう部屋の方を見るライカ、静かに怒りを秘める凛が榊を見つめる。

榊はため息を吐き、手にしていた資料をテーブルに無造作に置いた。


「ターゲットはあと二人。御堂建設社長、御堂忠、皐月夫妻。殺された前御堂建設社長の弟で、御堂尊の計画を知りながらその計画に乗った人物。最早この方々は人の皮を被った獣です。今回の仕事は派手に行きますよ。後の処理は九条に頼んでありますから、思う存分暴れてください」

「掃除まで頼んだのか?」

「はい。今回は九条に頼んだ方が仕事を思い切り出来るでしょうし、ライカの事も予想していましたので」


目を細め、恐ろしいほどの冷たい笑みを零す榊。


死神の鎌を携えた男達が、――今此処に。





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あきゅろす。
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