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道化の国
報告と確認1


「美咲が目覚めた事をマリカに報告しなくては。」

「マリカ?」

「貴女の事を心配していましたからね、フィールド外に出ますが、美咲はどうしますか?」

「私も行く。心配かけたこと、マリカに謝らなくちゃ・・。」


申し訳なさそうに微笑む美咲を見て、センリはその肩を抱いてフィールドを後にした。

マリカを呼び出す間、センリは小さな声で話し始めた。
マリカだけでなく、ユーマやマスカーレイドもそれなりに美咲のために骨を折った事を、真っ直ぐ前を見据えたまま呟いた。

そして言い終えると、センリはいつもの優しい笑みを美咲に見せた。


「私・・・良い友達に囲まれて、本当に幸せ。」

「良い友人・・・ばかりですか?」


少しばかりの不満の色を見せるセンリを見上げる美咲は笑みを見せ、センリの腕に自ら腕を絡ませた。


「・・私を大事に想ってくれるセンリが、側にいてくれるのが一番だよ。」

「美咲・・・、ありがとうございます。その言葉、とても嬉しいです。」


センリは美咲の身体の感触を堪能した後、マリカを呼び出すとマスカーレイドとユーマも一緒だったようで三人で姿を現した。


「美咲気分はどう、大丈夫かしら?」


マリカは美咲の頭を撫でながら顔を覗き込むと、それに応えるように美咲はニコリと笑みを見せ、マリカを見上げた。


「大丈夫、ごめんね心配かけて。」

「無事なら良いわ。」

「薬も効いたみたいだな。」

「薬って何?」


スッキリした顔の美咲は隣に立ったユーマに首を傾げ、何の事かと頭を捻る。


「覚えてねーのか?ジェード・バインの解毒だよ。・・・つーか、魔力を中和する薬だって言ってたけどな。センリが飲ませただろ?」

「・・・あ、アレ?あのドロッしたの・・・。」


気色の悪い感触が喉に蘇り、美咲の眉間にシワが寄る。
それと共にユーマの眉間にもシワが寄り、美咲の背中を叩いた。


「そんな顔すんなって!俺が必死こいて取りに行って来たんだぞ。」

「そ・・なんだ、ごめんねユーマ。ありがとう。」

「おう。」


少し照れくさそうにはにかむユーマは、美咲の頭をグシャグシャに撫で回しニカッと笑った。


「美咲ー、心配したよ。まさか美咲があんななるとはね、驚いたよ。」

「マスカーレイドもありがとうね。」

「俺は何もしてないさ、でも良かったよ美咲に何もなくて。」


マスカーレイドが美咲の肩に手を置こうとすると、センリがそれを叩き落した。





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