「やっと帰りましたね」 「センリは嫌だったの?皆でお喋りするの」 「そうではありませんよ」 センリは横に立つ美咲の身体を抱きすくめ、首元に顔を埋める。 「あまり美咲を他の男性の目に晒したくないのです」 「んと……、ユーマとマスカーレイドの事?」 「はい」 美咲の体温をより深く感じるため、センリは美咲の髪を払い、露になる首にキスを落とし頬を寄せた。 「センリは独占欲が強いんだから」 笑みを零す美咲にセンリは面白くなさそうに答える。 「嫌ですか?」 「嫌じゃない、センリらしいって言うか……何て言うか」 センリは、尚も笑い続ける美咲の身体を優しく抱き上げた。 「いつまで私を笑っているつもりですか?」 そこには妖艶に微笑むセンリが美咲を見つめる。 「あ、ごめん。でも……おかしくて」 緩む口元を両手で隠し、美咲は笑いを必死に止めようとしている。 しかしセンリの顔を見てはクスクスと声をたてていて、笑いが一向に止まる気配はない。 「本当に……、美咲は可愛いですね」 困ったような笑顔になり、センリは美咲を抱きかかえたままリビングを後にした。 |