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道化の国
街1


センリのフィールドから街にに出た美咲とマリカ。
マリカは美咲に気付かれないよう、天に投げキッスをして小さく呟いた。


「私達を遠巻きに護衛してちょうだい」


久しぶりの街を楽しそうに歩く美咲を見つつ、マリカは遠くで切り裂かれた空間を見つける。
騎士の一人だと確認し頷くと美咲に視線を移した。


「さ、美咲。ユーマを呼び出すわよ」

「え、もう?もう少し街を見て回らない?」

「センリが心配するわ、今度センリに連れて来てもらいなさいな」


美咲の表情が少し悲しげになっていく。
訝しげにマリカは美咲を見やり、どうしたのと聞いた。


「リアン達の事があってから、センリは前より心配性になっちゃって。マリカについて行くって言った時も、困った顔していたし……」


あの時のセンリを見られていたのかと、マリカは大きくため息をついた。


「美咲は大切なセンリの希望の光なの、心配するのは当たり前なのよ。たった一人しか居ない、唯一無二の大事な光。大事に思うのは当然の事なの」

「う……ん。センリにもそれは言われた」


俯く美咲の肩を抱き、マリカは尚も続けた。


「美咲の思うことは全て叶えてあげたいけど、危険に晒したくもないのよ。でも……勝手に心配させておきなさいよ。振り回されるセンリって滅多に見れるもんじゃないわ」


美咲の顔に近付け、ニンマリと笑うマリカは本当に楽しそうだ。
それにつられ、美咲も笑みを零してしまう。


「けど私の側にいて何かあったら、私がセンリに殺されちゃうわ。だから今だけは私の言う事を聞くのよ?」

「うん……」

「私だって女なのよ。か弱いから、美咲を守ってやる自信がないのよ」


遠巻きに様子を窺っていた騎士の一人が、マリカの台詞に思わず吹き出していた。







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あきゅろす。
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