切なそうな表情のセンリから、側にいて欲しいと言われて思わず“はい”と言ってしまいそうになり。
理解しがたい話を聞かされ、愛の告白の様な甘い台詞を言われ、どうして良いかわからずセンリから目線を外してしまった。
センリの事は殆ど知らない。
けど……嫌いじゃない。
センリに触れられた時、恐怖にも似た快楽が怖くて。
でも嫌じゃなかった。
ううん、そうじゃない。
今私の髪を撫でてるセンリに“もっと”って言ってしまいそうなくらい、心地好く感じる自分がいた。
絡まる視線すらとても熱くて、その熱は私の頬を紅くさせてゆく。
見惚れてしまっていると、センリの唇が薄く開き声が零れる。
耳をくすぐる音は静かに、そしていとも簡単に私の心に入り込む。
染みる声はセンリから放たれる香りと共に体内を駆け巡り、指先が痺れてしまいそう……。
激しくなる鼓動に、私の意識はセンリに奪われてしまう。
センリに溺れ理性をなくして、自分が自分でなくなりそうで怖かった。
自分を見失うほどに愛してしまいそうな、綺麗な人だから。
身体がセンリを求めているから……。
恐怖で震えていたと思っていた身体は、歓喜で震えていたのだと、漸く理解出来た。