美咲に撫でられている髪にまで、神経が通っているようでとても心地好く、思わず涙が零れそうになる。
この安穏とした今を永遠にしたい私は、美咲の意思を確認しなくてはならない。
「美咲」
「何……?」
「貴女は私が今言った事に、理解を示してもらえたのですか?」
「……よく、わからない。でもセンリには私が必要なんでしょう?」
「……はい、貴女は私の全てなのです。美咲の返答一つで生かすも殺すも自由。……出来れば、ずっと私の側に居てくれませんか?」
髪を撫でる手が一瞬だけ緊張し、美咲が困惑したのがわかった。
この様な事を問わず、強引に私の傍らに置いておく事も出来る。
しかし、私は美咲の意思も尊重してあげたい。
自らの意思で、私の傍らにいる事を望んでもらいたい。
都合の良い想いを胸に、不安と期待を込めて美咲の顔を窺う。
この手を離したくない。
この熱と離れたくない。
美咲の肩に置いた手を離せずにいる私はとても臆病で、こんな弱い自分を見たのは初めてだった。
美咲に触れていないと、貴女は何処かに消えてしまうのではないかと、気持ちが落ち着かない。
「私……」
貴女から紡がれる言葉。
続く台詞が“NO”と言う、言葉ではありません様に。
願うばかりなのです。
やっと出会えた、最初で最後の私の可愛い貴女。