道化の国 蕩け合う躯 幾度となく肌を重ね。 互いの体温を貪るように感じ合う。 情事が終わった後の甘い気怠さが、二人に舞い降りる。 「美咲は温いですね。」 「・・・ン・・。」 半分眠りに堕ちそうな愛しい人の髪を梳きながら、センリは美咲の顔を上から見下ろす。 「少し眠りますか?」 「・・・・・・ン・・。」 消え入りそうな小さな声と共に、美咲は深い眠りについてしまう。 センリはクスリと微笑み。 「おやすみ、美咲。良い夢を・・。」 美咲の額にかかる髪をハラリと払い、唇を落とす。 眠る美咲の身体を抱き締め、頬と頬を寄せ合う。 美咲から聞こえる規則正しい寝息と、温もりに包まれながら。 センリは深い眠りに、ゆっくりと堕ちていく。 互いの体温が絡まり合い 繋って溶けて そうやって 一つになる感覚に囚われながら。 [*前へ][次へ#] [戻る] |