「美咲、注文しておいたピンクトルマリンが出来上がりました。出かけましょうか」 「本当?」 心踊る気分を隠せない美咲を見て、センリは微笑む。 軽い足取りでセンリの側に駆け寄り手を絡み繋ぐと、二人は空間の裂け目に入って行った。 「美咲が喜んでくれると、私としてもプレゼントする甲斐がありますね」 「私こそ。センリにいつもいつも喜ばせて貰ってばかりで、悪いくらいなのに」 「この国には娯楽が殆どないのです。ですから美咲を喜ばせる事は、私の娯楽だと思ってください」 「……そんな娯楽で良いの?」 申し訳ない気持ちで一杯の美咲は、疑いの眼差しで下からセンリを見上げる。 「良いのですよ。あと、手身近な娯楽はセックスになるでしょうか。これには大変満足してます。どうです?この返答で美咲は納得してくれますか?」 「……そっ、そっそれは……。そう、……うん」 美咲は娯楽がないからと、セックスまで娯楽になるのかと顔を紅く染め上げながら返事をした。 「だから美咲も気をつけてくださいね、ユーマがまた現れるかもしれません。彼の事だから、貴女を玩具にしようと考えているのかもしれません。ユーマは私に執着してますから……困った子供です」 「気をつけるって……私。もしかして……襲われたりするかもしれないって事?って子供!?」 「そうです。性質の悪い変態ですから、とりあえず見たら逃げてください。身体は大人でも頭が子供なのですよ、ユーマは」 「変態って……どんな?」 恐る恐る問い掛ける美咲は、口元を引きつらせている。 「美咲に悪影響があるといけませんので、言えません。知らなくてもいい事もありますから、言わないでおきます」 センリの言葉一つ一つに、たじろぐ美咲は急に怖くなってきた。 顔を青褪めさせる美咲に、センリは苦笑いを零す。 「大丈夫、もう離れたりしませんから。それに私のフィールドでは私がマスターです、許可が無い限り誰も入っては来れません。もちろん力も私が上ですから、フィールドで何をしようと阻止する事が出来ます」 「何だか話が難しくなってきたよ」 それよりも変態が気になって仕方ない美咲の足取りは重い。 |