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道化の国
お茶会1




今私とセンリ、マリカ、マスカーレイドとユーマの5人でリビングにいる。

センリに“マリカに会いたい”と言ったら、何故かマスカーレイドとユーマも連れて来た。


「私はマリカだけを、招待するつもりでしたんですけどね」


面白くなさそうにユーマとマスカーレイドを、ジロリと睨む。


「良いじゃねーか、くっついて行かねーとセンリのフィールドに入れねんだからよー」


ユーマはテーブルに肘をつきながら、センリの視線をかわす。


「仕方ないよね、センリは美咲に会わせてくれないんだもの」


シレッとお茶を飲むマスカーレイド。


「貴方方に合わせたら、美咲が汚れるからですよ」


センリは美咲の隣りにペッタリくっつき、警戒の意を表す。


「センリくっつき過ぎ、離れろ」

「ユーマに言われる筋合いはありません。美咲、嫌ですか?私とこうしているの」


横目で見つめるセンリの顔は相変わらず綺麗で、美咲は思わず見惚れてしまう。


「美咲?」


思わず見惚れてしまい言葉が出ないでいると、センリが美咲の顔を不安そうに様子を窺う。


「ううん、私はこのままの方が良い」

「そうですか、それは良かった」


安堵の笑みを湛えるセンリと視線が絡まり合う。

その様子を見ていたマスカーレイドは、ため息をつく。


「良いよな〜センリばっかり、希望の光を見つけられて」


椅子にもたれ背中をのけ反らせ天を仰ぎ、愚痴を零すマスカーレイド。


「まぁゆっくり探せば良いじゃない、時間はたっぷりあるから」


なだめる様な言い方ではあるが、マスカーレイドの口癖にもなってしまっている、この“愚痴”に辟易しまっているマリカの口調は実にぶっきらぼうだ。


「俺は希望の光なんか必要ねぇ、目の前にある光を盗れば良いだけの話じゃね?」


ニヤニヤしながらユーマは、美咲を射抜くような視線を向ける。


「え……」


戸惑いを隠せない美咲がオロオロしていると、目を合わせてはいけませんと、センリによって、強制的に自分の方へ向けられた。


「美咲、マスカーレイドはサディストですが、ユーマは真性の変態です。良い子だからあの二人に、近寄ってはいけませんよ?」


マリカは信用してますから良いですよ、と付け加え。


「好きな人を籠に入れて、自分しか愛せない状況にして愛でる事がなんでサディストになるんだよ」

「立派な監禁じゃないの」


すかさず口を挟むマリカに、マスカーレイドは人聞きが悪いとムッとしている。


「真性とか変態とか、本当の事だから気にしねぇし。白い肌に、ナイフで血の筋なんてつけたらゾクゾクするぜ?センリもやってみれば」

「断ります」


センリの語気を強めた言葉に、ホッとする美咲。

俺は普通だとサディスト発言の撤回を求めるマスカーレイドに、一人美咲を見ながら妄想しニヤリとするユーマに、呆れて何も言えなかったマリカが溜め息をつき、センリを見る。


「そう言うセンリだってサディストじゃない、ユーマ達の事言えないわよ」



したり顔で笑いコーヒーを啜るマリカは、スラリと伸びたしなやかな足を組み直す。


「痛め付けて喜ぶ変態達と一緒にしないで下さい。私はベッドの上でしか、美咲を泣かせません。それも快楽の涙です。そうですよねぇ美咲」


同意を求められても……と思う美咲は何も言えず。



開いた口が塞がらないとは、正にこの事。


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あきゅろす。
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