道化の国
濃紺の天鵞絨6
瞳は快楽からくる涙で滲んでいて、薄く開いた唇はしっとりと輝いている。
零れる言葉は耳に甘美なまでの喘ぎ声ばかり。
狂おしいほどの愛しさが込み上げ、センリの鼓動は大きくなる。
「こんなに細い身体の何処に・・・、私を狂わせるほどの力があるのか不思議です。」
「ああっ、・・あっ・・、やめ・・・、センリ・・・。」
「貴女の魅力は、奥が深そうです。・・一度しっかりと謎解きをしてみたいですね・・。単に希望の光だからと・・、位置づけしてお終いにしてしまうのは勿体無いですね。」
湾曲する背中に沿って指先を滑らせればセンリは高揚する熱い吐息を吐き出し、背筋に走る粟立ちに身を震わせる美咲を眺めてはほくそ笑んだ。
「さぁ・・、美咲。これからどうしましょうか。」
不意に止められた動きに美咲は戸惑い、振り返っては虚ろな瞳でセンリを見つめた。
「これ・・から・・・?」
「止めましょうか?先ほど止めて欲しいと言いたかったのではないのですか?」
悪戯心を出したセンリは涼しい顔で美咲の顔に張り付いた髪を優しく払う。
センリの言葉に動揺を隠せない美咲は、顔を赤らめながら薄く開いていた唇を噛み締め顔を逸らした。
「何も要望がないのであれば、これで終りにしましょうか。」
「やっ、センリ・・、止めないで・・。」
自身を抜き取ろうとしたセンリは蜜壷の浅い箇所でその動きを止め、美咲の言葉に従った。
「では・・・、どうしてもらいたいですか?」
再び問いかけられる言葉に、美咲はゆっくりと顔を向けた。
「・・・・イキたい・・・。センリに・・、イカせて・・・もらいたい・・。」
恥じらいながらも言葉を紡ぐ姿に、センリ自身は膨張する。
「良いですよ。・・・では一緒にイキましょうね、美咲。」
「あっ、あっ、ん・・・はあっ!あッ、やっ!」
美咲の耳元で満足そうに口の端を上げたセンリは律動を開始し、満たされつつある欲望に陶酔していた。
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