道化の国
嫉妬
「私は嫉妬深いようです」
突然のセンリからの言葉に驚く美咲。
「ちょっと知ってたよ?」
「私でも最近知った事を、なぜ美咲はもう知っているのですか?」
美咲よりもっと驚いた顔のセンリがいる。
「だって…、心配性だし、四六時中私の側にいてくれて、とても甘やかすし…いつも甘い言葉を囁いてくれる。愛情が深いほど、嫉妬深くなるものじゃないの?」
美咲は自分で言ってて恥ずかしくなり、顔を真っ赤にしながら、俯き言葉が続かなくなっていた。
「美咲は私の事よく見てるのですね」
柔らかく笑うセンリは、ソファーに座る美咲の前に跪き、俯く美咲を下から覗き込もうとする。
「…今、顔が真っ赤になってるから見ないで?」
「どうしてですか?恥ずかしがる美咲も可愛いのに、隠してはいけませんよ」
手で顔を隠そうとする美咲の手をソファーの背もたれに縫い付けるように押しやり、唇を美咲の頬に寄せ、顔が少し浮いた隙を突いて唇を重ねる。
恥ずかしさで瞳を潤ませた美咲の顔が上を向く。
「ほら、可愛いじゃないですか」
「やっ、恥ずかし…い」
センリは今更と言いながら、美咲の顔にかかった髪を綺麗に直し、また深いキスを落とす。
上唇を啄み、舌で舐め上げる。
熱いキスを深く深く。
「こんなに可愛い美咲を見ないでいるのは損です」
瞼を薄く開けば慈しみの眼差しを、美咲に向けるセンリが口元を緩ませていた。
「見せようとしない悪い子にはお仕置きですよ。甘くて意地悪なお仕置きがね」
紅潮した美咲を抱きかかえ、ベッドでまた愛を囁く。
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