道化の国
訪れた静寂と快楽への陶酔5
音を立て指先を舐める仕草に、美咲の顔は一気に熱が上がる。
熱くなったせいなのか胸が苦しく吐息が漏れ涙が視界を滲ませ、全てが積み重なり思考を麻痺させる。
「そんなに瞳を潤ませて・・・、益々苛めてしまいたくなりますね。」
「そ・・んな・・、センリ・・・。」
綺麗に舐め取ると、センリは再び指を蜜壷へと差し込んだ。
緩慢だった先ほどの動きとは違い、内壁を擦り快楽を強引に引きずり出されようとする。
一本だった指は二本に増やされ、それと同時に花芽を微弱なタッチで触れられる。
「あッ!ああっ、ん・・はぁ、セ・・んんッ、ふ・・あああッ!」
美咲は悦に追い立てられ今まで焦らされていた分だけに、余計に強烈な快感が押し寄せ意識が吹き飛ばされてしまいそうになる。
無意識のうちにセンリの腕にしがみ付き、上り詰めようとした刹那。
センリは不意に緩やかな動きに変わり、美咲は行き場のない気持ちを持て余す。
「ど・・して・・・。」
頂点に達しそうになっていた快楽は不発となり、しがみ付いていた手を強く握った。
「欲しいなら、美咲に望まれたいですね。私から一方的に与えられずとも、どうしてほしいのか・・美咲なら言えますよね?」
「そんな・・・・ぁあっ。」
言葉をかけながらもセンリは指の動きを止めようとはせず、ほくそ笑んで美咲を見下ろした。
弱々しい悦を受けつつ、美咲はセンリの言いたい事が簡単に理解できた。
自分の口からセンリを求める言葉を、・・言わせたいのだと。
そうでなければこの重く沈みゆく快楽の渦から逃れる事は出来ないと、溺れる頭でおぼろげに考えていた。
「さぁ、どうします?言えなければ、ずっとこのまま・・・、鈍い快楽しか味わう事が出来ないですよ?」
妖しくも美しい表情のセンリは、美咲を瞬く間に虜にしてしまうほど。
惹きつけられてしまった美咲は魅惑的なその瞳に囚われる。
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