道化の国
訪れた静寂と快楽への陶酔1
「さて・・、やっと静かになりましたね。」
「でも、良かったね。二人が仲良くなって。」
美咲は見送った花月達の寄り添う姿を思い出し、安堵の笑みを漏らす。
「あの二人は精神衛生上良くありませんね。見ていて胸が苦しいです。」
「切ないけど、・・・けど、二人が想い合っているのがわかるから。なんだろう・・・、こう・・・胸がドキドキするね。」
「私は焦れったくて、胸が苦しいです。」
苦笑するセンリの胸に美咲は身体を預け、小さく笑った。
「無事解決した事ですし、もう良いですよね。邪魔者も帰りましたし・・・。」
センリは美咲の髪に顔を寄せ、身体に響かせるように囁く。
髪を掻き上げ耳に唇を寄せれば、美咲の口から反応を示す声が漏れる。
「美咲は他人に奉仕するのが好きな様ですね。花月達にも甲斐甲斐しくしてましたし、マスカーレイドにも随分肩入れしていましたよね。」
「花月達のはセンリだって・・・、それにマスカーレイドは可哀相だったし・・。」
「私も奉仕してもらっても・・問題ないですよね?」
「センリ・・・?」
美咲はいつもと様子の違うセンリから身体を離し、瞬きを繰り返す。
「美咲・・・、服を脱いでください。」
「えっ!?」
「今回は美咲から誘ってもらいたいですね。」
ゆったりとソファに座るセンリは肘掛けに腕を置き、美咲が動くのをジッと待つ。
「・・・こんな所で・・?」
「ではベッドルームへ行きましょうか。」
すかさず立上がり、俯き戸惑う美咲の手を取ってリビングを後にした。
ベッドルームに入るなり、センリはベッドに腰を下ろし扉の前で固まる美咲を見据える。
「さぁ、早く脱いでください。」
「・・・出来ないよ・・。」
「花月達には献身的になれるのに、私には出来ないのですか?」
「だって・・・意味が違うよ・・。」
「私にとっては同じです。」
強気な態度のセンリは美咲の意見は聞こうとはせず、ただ薄い笑みを湛えたまま見つめている。
「さぁ・・脱いでください。」
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