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道化の国
帰郷


静かなリビングに扉が開く音が響く。
二人を待っていたセンリ達は、漸く開いた扉に視線を集中させた。


「随分早かったですね。」

「そんな事はないと思うが。」


至って冷静な様子を見せる白露は後方にいる花月を前に出そうと、顔を後ろに向けるとセンリが呟いた。


「セックスはある程度時間をかけた方が・・、随分早い・・・・。」

「うわああああっ!!それ以上喋るんじゃない!わたくし達はそんな事などしてはいない!」


白露の後ろで真っ赤な顔の花月の叫びがセンリの台詞を遮った。
それと同時に美咲がセンリの口を手で塞ぎ、花月が望んだ通りそれ以上は喋る事が出来ないでいた。


「そんな事より、問題は解決したようね。」

「おかげでな。」


陰に隠れる花月を引き寄せ、白露は穏やかに微笑んだ。


「花月が黙って国を出てきた事だし・・、俺達は帰る。」

「そうですか、わかりました。」


美咲の手を剥がし、センリは自分の膝の上に美咲を抱きかかえると安堵した様子で笑みを浮かべた。


「色々世話になったな。」

「もう揉め事はごめんですよ。」

「わかってる。」

「じゃあ私も帰ろうかしら、マスカーレイドも行くわよ。」

「俺の問題は・・・。」

「これ以上長居してセンリにまた睨まれたいの?」


マスカーレイドは大きくかぶりを振り、身体全体で精一杯の否定を見せた。


「マリカ、白露達をよろしくお願いします。」

「わかったわ、美咲またね。」


マリカが踵を返すと、白露の側で俯いていた花月が振り返り美咲を見つめた。


「・・花月がんばってね。」

「ありがとう、また遊びに来る。」


来た時と違い、晴れやかな笑顔の花月は美咲に抱きついて嬉しさを表現した。





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あきゅろす。
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