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道化の国
すれ違い2



センリ達がフィールドに戻ると、リビングは静寂に包まれていた。


「テーブルに置いておいた手紙がない・・・と言う事は、一度この部屋には来たんですね。」


怪訝な顔のままベッドルームへ向かえば、そこはもぬけの殻。
ベッドに手をやりシーツに触れば、まだ僅かに暖かみの残っている。


「そんなに時間は経っていないようですね、・・・花月が美咲を唆しましたか・・・。」

「花月と美咲、いないの?」


マスカーレイドはベッドルームの扉から中を覗き込むように、室内の様子を窺う。


「花月が連れ出したようですね。」


深いため息を吐き、センリは美咲の思念を手繰り寄せるが、特に窮地に追い込まれていないのか美咲の意識を感じ取る事が出来ない。


「無事であれば良いのですが、・・・美咲は何処に行ったのでしょうか・・・。」


悩みの種が尽きないセンリは眉間のしわを深くし、ベッドに置かれた自分が書いた置手紙を拾い上げた。


「探しに行く?」

「そうですね・・・、・・・これは・・。」


置手紙に美咲の書いた文字が連ねられているのを見つけたセンリは優しい笑みを漏らし、紙を大事そうに折り畳みポケットにしまった。


「居場所がわかました、行きましょう。」

「どうしたの急に。」

「美咲がメモを残してくれていました、今ならまだそこに居るかもしれません。」

「気が利くね〜美咲。」


美咲を褒めたマスカーレイドだが、まるでセンリが褒められたように口元を緩ませ微笑みをみせる。


「顔が惚気(のろけ)てる・・。」

「美咲達がまだ店にいる内に、早く行きましょう。」


素早い動きで空間を切り裂いたセンリは、マスカーレイドと共に闇が広がる空間に飛び込んで行った。



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あきゅろす。
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