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道化の国
センリVSユーマ3


「センリ、呼んだ?ってお取り込み中かしら?」


飄々と現れたマリカの前には、裂傷があちらこちらに見えボロボロになり蹲っているユーマと、息も乱さないセンリが立っていた。


「マリカ忙しいのにすいませんね。その建物の影に美咲が居ます、側にいてやってください。もう少しで片がつきますから」

「わかったわ」


取り込み中の二人に後ろでに手を振り、マリカは美咲に近づき肩に手を置いた。
少し背の高いマリカに顔を向け、不安そうな美咲は瞳を潤ます。


「マリカ……。私見てるの、怖い」

「そう……じゃあ見ないで、瞳を閉じていなさい」


マリカは美咲の瞳を両手で覆った。
震える美咲を見下ろしながら、マリカが呟く。


「すぐセンリが終わらせてくれるわ」


閉ざされた視界の中、美咲は愛しい人の無事を祈っていた。


「そろそろ強情を張らないで、無益な戦いは止めにしませんか?」

「うるせぇ!!いつまでもガキ扱いしやがって……。そのしたり顔がむかつくんだよ!」

「そのように蹲って肩で息をしている人に私が鞭を振るえば、苛めているようにしか見えなくて嫌なのですが」


変わらぬ態度でいるユーマへ止めとばかりに、センリの鞭がしなった。


「……グゥッ!」


その一撃はユーマの身体に波打つように這い、あまりの痛みと今までの戦いの疲労から気絶してしまった。





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あきゅろす。
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