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道化の国
センリVSユーマ2


「ユーマ、もう少し大人になったらどうです?私に執着するのは、そろそろ止めていただきたいですね」

「センリの怒る顔が見れたら用無しだ!今すぐ俺に殺られろよ。本当はあの女をどうにかした方が面白そうなんだけどよ……」

「美咲を狙うのは貴方にとって、得策ではありません。二度と近づかない方が身のためです」


会話が止み暫しの静寂の後ユーマはすかさずナイフを投げつけるが、センリは放たれたナイフを鞭で払いのける。
その一瞬にセンリの懐に飛び込んだユーマは、ナイフの切っ先を首元目掛けて突く。
しかしその手はセンリによって軽く制され、ユーマは逃れるべく腕を強く引き弾かれたように後方へ飛び上がった。体制が崩れた隙を突き、センリはしなやかな鞭をユーマの腕に巻きつけた。


「クッ……」

「貴方が私に敵う思いますか?」


ユーマから視線を逸らさず、センリはタキシードのポケットから小さな硝子の玉を取り出し、親指で弾いて地面に落とすと硝子は粉々に砕け散った。


「マリカ、急用です。来てください」

「へっ、随分余裕だな!こんなんで俺に勝てると思うな!」

「余裕なんて思ってはいませんよ。私の弱点を貴方が知っているのですから」


ユーマは腕に巻きついた鞭を振りほどくと戦闘態勢になり、すぐさまセンリに飛びかった。


「だったらもっと焦った顔でも見せろよ!」

「弱点を持ってるからこそ、たとえ小さな敵でも全力で戦うからユーマでは私には勝てない。貴方には驕りがあります、だから私には勝てないのです」


センリはナイフをかわして鞭を持った手を振り上げ、力のままにユーマの背中に鞭を走らせた。
切り裂かれるような痛みが背中を這い、ユーマは思わず膝を落としてしまう。


「今のは美咲の肌に悪戯をした罰です」

「ああぁ!クッ……クソ……」

「貴方はまだ子供です。ですからあまり痛めつけたくはないのですが、お仕置は必要ですから」

「ふざけんなっ!まだだ……まだっ!」


ユーマは狂気を纏い、取り付かれたように何度もセンリに立ち向かっていった。しかし力の差は歴然としていて、ユーマは尽く返り討ちにあっていた。

そんな時、空間が切り裂かれ、それまで動いていた二人は一瞬にして止まった。




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あきゅろす。
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