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道化の国
愛しい人の言葉


フィールドに戻って来てから美咲の側を離れようとしないセンリ。


「……センリ、此処は安全なんだからそんなにくっつかなくても」

「……嫌ですか?」

「えっ、嫌ではないけど……どうしたの?」


遠慮がちに少しばかり沈んだ声を出すセンリに、美咲は心配する。

後ろから抱きすくめられる形になっているので、センリの顔が見えないでいるため、その心配は自然と膨れる。
しかし、美咲の身体に回された腕が強くなる事で、センリの心情を、少し読み取る事が出来た。


「私は大丈夫よ。フィールドから出たら、センリからは絶対に離れないし……ね?」

「……お願いします。命をかけて守りますから、……私の側から決して離しません」


センリをこうまでさせるユーマとは、どのような人物なのか美咲には全くわからないでいた。

しかしセンリの言葉を思うと安心でき、今は怖さなど微塵もなかった。

“命をかけて守りますから……私の側から決して離しません”

心の底から信用出来る愛しい人の言葉を胸に、美咲は身体を預けるようにしてセンリにもたれた。


「私も離れない……」





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あきゅろす。
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