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道化の国
穿たれた心3



「ん……あ……、……ん……はッ……あ……ッ!」

「まだ全部入っていませんよ。美咲、休まないで……、私がキツイです……」


苦笑いを浮かべるセンリは、美咲の下半身に感じる悦に浸る事を優しく咎める。
センリ自身が質量を増す中、美咲が動くよりも先にセンリが美咲の腰を抱いて一気に打ち付けた。


「あああっ!……や……センリ……、優しく……アアッ!……ん……はぁン……、あ……っ!」

「美咲に焦らされるとは思っていませんでしたから。……駄目ですね、やはり……美咲を前にすると、理性を保つの……大変です」


薄っすらと額に汗の粒を光らせ、センリは妖艶な笑みで愉楽を楽しむ。
センリの肩に置いた腕を首に回し、美咲は下から突き上げられる快感で頭の中が一杯になり、センリの言葉が途切れ途切れにしか理解できないでいた。

座り抱き合ったままの情交は初めてで、今までに感じた事のない部分をセンリは突き上げてくる。
美咲は身体が揺さぶられ、しがみつくその小さな身体がセンリの肌に直に伝わり、美咲の熱を感じさせる。
柔らかな膨らみが押し付けられ、センリは身体中を美咲で満たされる。


「美咲、もっと声を出して……もっと啼いてください」

「んん……、ぁああッ!……や……、センリ……セン……、やぁ……ッ!」


美咲の身体を少しだけ離し、紅い突起を口に含む。
甘噛みをすると美咲の身体が弓なりになり、下肢に力がこもる。
締め付ける力が強くなれば、センリの美咲へ打ちつける速度が自然と増してしまう。


「そんなに締め上げて……、可愛いですね……美咲。……絶頂に達する時の表情……、ちゃんと見せてくださいね……」


律動を止めたセンリは、美咲の身体を押し倒して足を大きく割ると、深く強く動き始めた。


「や、……あっ、あアッ!……センリ、や……ダメ……、……あっ!ああッ!……イク……ッ!イッちゃ……アーッ!」

「美咲……っ、そんな顔をしては……、……私も」


美咲の仰け反る首筋は艶めかしく、潤んだ肉壁は痙攣するかのように蠢き、センリをも絶頂へと導く。
誘われるがままに、センリは美咲の奥深くへと熱い欲望を吐き出した。

熱い身体を真っ白なシーツに投げ出し、美咲は息を整える。
隣には体温を共有するかのように、センリが身体を寄せてきた。


「美咲……、身体辛くないですか?」

「うん……、大丈夫」


センリは美咲の髪を指で絡めて悪戯をしながら、美咲の身体を気遣った。


「美咲、私を……抱きしめてくれますか?」


センリが僅かに見せた憂色を、美咲は見てしまう。
いまだ拭えない悲しみは、とても深いものだと美咲は感じた。

涙が滲みそうになるのを堪え、美咲はフワリと微笑んでセンリの背中に腕を回した。


「センリ……、好き……。ずっと側にいる……、ずっとセンリを離さない」


美咲は自分が言える精一杯の言葉を、センリに伝えた。
温かな美咲の気持ちがセンリにハッキリ感じられ、センリは美咲の身体を優しく包んだ。


「離してと言われても、私だって離すつもりはありません。……美咲、愛しています」


穏やかな時が心地よく、傷ついた心は美咲からの情愛で撫でられ、緩やかに塞がってゆく。


手放したくない温もりは、今、センリの腕の中に。






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