「私の美咲に悪戯した事、思いきり後悔させてあげなければいけませんね」
そこには今まで見たことのないセンリがいて、美咲は言葉が出ないでいた。
「そこまで怒らなくても……ね、センリ。私の側にいて……お願い」
「美咲は優しいですね、ユーマに情けをかけなくても良いのですよ。それに……貴女にそのような事言われたら、側にいるしかありませんね」
センリは抱き寄せ、美咲の体温を胸に感じていた。
直接触れ合う肌と肌。
美咲の華奢な背中を覆うセンリは、押し黙ったまま細く息を吐いた。
「……怒りは少々納まりました。気分転換にお風呂に行きましょうか」
これで機嫌が直ってくれるならと、センリに促されるまま断る事なくバスルームに向かった。
自分の羞恥心さえ我慢してしまえば良い事だと、紅くなる顔を擦り、自分自身言い聞かせながら。
広めのバスルームに大きなはランプが五つ、所々に置いてある。
室内は清潔感のある白いタイルで、猫足のバスタブには桃色の花びらが沢山浮かべられてあり、鮮やかに水面を飾っていた。
「うわ……可愛い」
湯気の中で灯る、淡いランプの光が幻想的に見えるせいであろう。
美咲は一人はしゃいでいた。
「気に入ってくれたようですね、とても嬉しいです」
「だって、今まではシャワールームで済ませていたから。バスタブも大きいから、二人で入っても全然狭くないね」
美咲の予想以上の喜びように怒気は消え、優しさに満ち溢れたセンリの笑顔に変化する。
「美咲、こちらに座ってくれますか?」
「……うん」
はしゃいでいた事で忘れていた羞恥心がセンリの一言で呼び戻され、促されるまま備え付けの椅子に腰をかける。
温めのシャワーを身体にかけ、泡をたっぷり含んだスポンジで丁寧に美咲の背中を洗い上げる。
「さぁ、前を洗いますよ。こちらを向いてください」
「えっ、そこは私が、洗う、から。……お願い、します」
美咲はセンリの視線に耐えかね、思わず了承してしまう。
恥ずかしそうにしながらも素直に身体をセンリへと向けると、首筋から鎖骨、胸へと泡によって滑るように洗われていく。
「っ……ん」
美咲は敏感な箇所にスポンジ当たる度反応してしまい、センリは楽しそうにその様子を見ている。
「どうしました美咲、私は洗ってるだけなのですが……。感じてしまいましたか?」
「そんな、事な……い……ん」
センリは口角を上げ悪戯めいた笑みを携えながら、スポンジを下腹部に滑らせていった。
「どこまで持つのでしょうか」
「何も……しないって、言ったじゃない……やぁ、あっ!」
敏感な花芽にスポンジとは違う感触を感じた。
それはスポンジを放り出したセンリの指が泡の滑りを使い、円を描きながら愛撫を始めていた。
美咲の口から、甘い声が零れる。