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道化の国
白のレース



「では出発しますので、出掛ける仕度を整えてください」


皆から同意を得たセンリは、踵を翻し立ち去りながら言った。
その背に皆の楽しそうな返事を聞きながら。


フィールドに戻ったセンリは、たくさんの荷物を抱える美咲が目に入った。


「美咲……、そんなに持って行かなくても良いのですよ?あちらで用意出来る物は、白露が準備してくれています。ほんの少しの身の回りの者で大丈夫ですよ」

「でも、センリがゆっくり滞在するって言うから……」


肩を落とす美咲にセンリは思わず笑みを零し、美咲の頭を優しく撫でる。


「私が準備をしましょう。美咲は鞄の用意をお願いします。……そうですね、あの胡桃色の鞄が良いでしょう。持って来てくれますか?」

「うん、わかった」


先ほどとは打って変わって跳ねるように、美咲は喜んで鞄を探しに行った。
その間センリは美咲の用意した荷物を解き、必要な物と不必要な物とに分け、小さく一つにまとめた。


「洋服と……この下着ではなく、あの白のレースの下着の方が良いですね」


若干の嗜好を取り混ぜながら、下着選びには余念がなかった。


「しかし、こんなにたくさんの荷物をどうやって運んで行くつもりだったのでしょう……」


センリの周りには大きな鞄が三つもあり、それぞれ洋服などの着替えを入れた鞄、小さなバッグや靴などの様々な小物、オヤツがたくさん詰まった鞄に分けられていた。


「案外力持ちなんですね。そして食べ物までこんなに……、ユーマに感化されたのではないのでしょうね」


一抹の不安がセンリを過ぎり、苦笑いを浮かべた。






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あきゅろす。
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