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道化の国
倭の国への招待3


マリカの視線から火花が出そうなほど、ギラギラとした瞳でユーマを見ているとセンリはパンッと手を叩いた。


「遊びはもう止めて。倭の国に行くのでしたら、私に協力をしてくださいね」

「協力?」


センリの言葉に怒りの色を消し、マリカは不思議そうな顔をした。


「はい、私は美咲と一緒に居たいんです。しかし、花月が四六時中一緒では、なかなか二人きりになれませんでしょう?ですから、協力してもらいたいんです」


含み笑いもなく、爽やかな微笑みのセンリは少々寒々と感じる。
あまりにも自分の心に素直なセンリではあるが、それを聞いたマスカーレイドは困ったように笑った。


「でも、それは美咲も花月も可哀想じゃない?あんなに美咲と仲良くなったから、花月は招待状を送ったんだろう?」

「ですが私も美咲と一緒に居たいんです。勿論花月と一緒に居る時間も作りますが……、花月の事です。下手をしたら、私から美咲を完全に引き離すかもしれません。それを阻止するための、保険ですよ」


マスカーレイドは正論を唱えるが、センリの独占欲の前ではそんなものは通用せず。
毒気を抜かれたマリカは、顔をしかめて軽く返事をした。


「マスカーレイド、センリの独占欲は今に始まった事じゃないし、良いんじゃない?私は行きたいから行くけど、あんたはセンリのお願いを聞いてあげなさいよ。ユーマもね、協力してあげなさいよ」

「面倒くせぇ」

「そこまで完全に俺に押し付けたいわけね……。倭の国では俺の命の保障が無いする気がするんだけど」


ユーマはただ一言率直な気持ちを言い、マスカーレイドは自身の安否を気遣っていた。
しかしセンリもマリカもそこはあまり気にしていない様子だ。


「倭の国では珍しい食べ物や、着物姿のしっとりとした女性も、溢れていることでしょうね」


思わせぶりな事を言うセンリがチラリと横目でユーマとマスカーレイドを見れば、単純なユーマはすぐに飛びつき、不貞腐れていた表情が途端に輝きだす。


「仕方ねぇな、行ってやるよ」

「流石に子供は扱いやすいですね」


ユーマは、ん?とセンリを見るが、何事もなかったのようにセンリは振る舞っている。
その間、マスカーレイドは妄想を駆り立てていた。


「着物美人と……、うん、悪くないね」






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あきゅろす。
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