眠れぬセンリは静かなフィールドで美咲の寝顔を見つめた。 声を漏らしながら寝返りをうつ美咲をセンリは愛しそうに眺め、顔にかかる髪をサラリと払う。 「今までにないくらいの時の長さを感じてしまいそうですね。美咲と一時でも離れていたくはないのですが、仕方ありません……」 美咲への慕情がふつふつと湧き、思いが募る。 「気持ちが通じ合っているのはわかるのですが、何故でしょう……。私は恋焦がれた少年の様に、美咲の事しか考えられない」 温もりを確かめるように、センリは美咲を抱き寄せ、鼓動を感じる。 腕の中で眠る美咲を、自分に溶け込ませるが如く。 強く、優しく抱きしめていた。 「センリ……?」 「おはよう美咲、良く眠っていましたよ」 瞳を擦る手をセンリによって遮られ、美咲の瞼にキスを落とす。 いつから起きていたのか、センリは涼しげな顔で美咲を見ている。 「私いつの間にか眠ってた……、ごめんね、もっと一緒に起きていたかったのに」 目を細め、センリは隣に横たわる美咲の頬に指を滑らす。 「良いんですよ、私はゆっくりと寝顔を堪能していましたから」 「……センリ寝てないの?」 「はい」 さも当然と言うように、センリは満面の笑みで答える。 「貴女をゆっくり見れませんから。美咲と離れるのが寂しくて、私の目に焼き付けておきました」 センリの言葉に嬉しくなる美咲は微笑むが、一抹の不安からそれに影を落とした。 「寝ないで行って大丈夫?」 美咲は頬を撫でるセンリの手に自分の手を重ね、少し心配そうに顔を曇らせる。 「美咲がいるから大丈夫、貴女がいれば私は生きていけます。さぁ、そろそろ白露達と合流しなくてはなりませんから、仕度をしなければ」 センリに促されて既に用意されていた服を着込み、センリとの暫しの別れを惜しんだ。 |