道化の国
優しさ1
「ねぇ、今日は何するの?」
甘ったるい声を出す女の肩を抱き、俺はほくそ笑む。
「君は何をしたい?」
「知ってるくせに・・・。」
女は俺の首筋に掌を添え、上目遣いで俺を見る。
女は皆可愛いと思うよ。
けどね、皆可愛いだけ・・・、なんだよね。
特別な女は居ない。
皆平等に好きだよ。
でも女の方は違う。
いつも自分は特別なんだと、思いたがる。
排他的な考えは、昔からで。
だからなのか、何に対しても熱くなれない。
いつもダラダラと過ごして終わる毎日は嫌いじゃないし。
センリは退屈がってたけどね。
良いんじゃない?
寄ってくる女の肌で、温もりを感じて快楽を貪る生活。
性活って言った方が良いか。
「ねぇってば、マスカーレイド、私の話聞いてるの〜?」
「うん聞いてるよ。何?これから行く?」
「うん。」
女は満足そうに俺の腕に絡み付き、頭をもたれる。
来る者拒まず、去る者追わず。
マリカには無節操とか言われるけど、俺からセックスを取ったら毎日退屈だよ。
センリじゃないけどさ、悲観的な毎日を送らなきゃならないよな。
女のフィールドへ行き、先に女をシャワーへ促し、俺も後からシャワーを浴び、バスローブを引っ掛け、女が待つベッドへ飛び込む。
時には甘く優しく、時には荒々しい獣の様なセックスに女は喜び喘ぐ。
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