漸くセンリの元へと戻った美咲の腰を抱き、パーティーのホストであるマリカに挨拶をしに行った。 「マリカ、美咲が疲れてきたので私達はこれで帰ります」 「もう帰るの?まだ良いじゃない」 不服そうにセンリを見れば、眠そうに目を擦る美咲がマリカの視界に入る。 「そうね、美咲は限界そうだわ。また遊びに行くわね、美咲」 目を細め微笑むマリカに、美咲は表情を柔らかく緩ませる。 「うん、楽しかった。ありがとうね、マリカ」 「また何か楽しい事をするときは、招待するわ」 マリカはワイングラス片手に手を振り、センリ達を見送った。 フィールドに戻ると、センリはおもむろに服を脱ぎ始めた。 「セ、センリ?」 「美咲、一緒にお風呂へ行きましょう」 真っ赤な顔で両手をブンブン振り、遠慮する美咲。そして逃げるようにそそくさとバスルームへ入り、お湯を張り始めた。 「センリが先にどうぞ!」 押し込めるように、センリをバスルームへ追いやり扉を閉め、美咲はそこにもたれかかり人心地つく。 少々面白くないセンリは、仕方なく一人寂しく入浴を済ませる事とした。 それから暫くして……。 「美咲ー。ちょっと来てくださーい」 「センリどうした……」 バスルームから呼ぶセンリに、美咲は勢い良く扉を開ける。 そこには全裸で水滴を垂らすセンリが、ニッコリと笑って立っている。 美咲は扉を大きな音をたてて咄嗟に閉めてしまった。 「美咲。いきなり閉めるなんて、どうしたんですか?」 その場から動けないセンリは、扉越しに話しかける。 美咲は口をパクパク開けながら動揺した口調で応えた。 「い、いきなりそんな格好でいるから、……つい」 「お風呂に入ったんですから、当然でしょう?タオルもバスローブもないんです。持って来てくれませんか」 そう言う事かと妙に納得し、美咲はバスローブを取りに顔を紅くしながらパタパタと走って行った。 雫の落ちる前髪を掻き上げ、センリは笑みを漏らす。 「たかが私の裸を見ただけで、そんな風にしなくても……。まぁそこが、いつまでも新鮮で良いのでしょうけど」 愛しい美咲の一挙一動が可愛くて仕方ないセンリは、怪しく口の端を上げた。 |