『迷路』


一生に起こる全ての出来事なんて、予想もつかないことの連続だ

善いことも、悪いことも

人生とはまるで

深く入り組んだ巨大な迷路の中にいるようだ

周りを見渡せば

背丈を優に超す高さの壁ばかりで

方向感覚を麻痺させられる

そのせいで、元来た道を繰り返し通り過ぎたとしても

気付くことなく、彷徨し続けるばかり

漸く道が開けると

期待して進めば、その先は行き止まり

また、間違えてしまった
その事実をどうしても認めたくなくて

大した宛てもないくせに

闇雲に走り続けるのだ

涙で歪んだその道を

躓いて転んだ拍子に我にと返り

唯一仕切りの無い空に向かって力の限りに叫んだ

誰か教えて欲しい

出口は一体何処にあるのかと

どうすればこれ以上、自分は間違えずにすむのかと

そんなことは、無駄だとわかっているのに

例え偶然、悲鳴にも似た己の叫びが

天に届いたとしても

所詮、その“誰か”は自分とは違う、高みの見物なのだ

答えを示してきたとしても

本当にそれが望んでいた通りだとは限らない

自分の願望を容易に叶えてくれる絶対者が、存在するのだとしたら

そもそもこんな迷路に

突き落とすこと自体が、ありえないのだから


あきゅろす。
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