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書く ―CHの二次小説を扱っていマス。
恵方巻き(ほんわか風味)
今日は朝から、なんだか忙しない。



せっせと恵方巻きを作る彼女の背中をちらちら見ながらコーヒーを飲む。




節分に、その年々で決まった方角を向いて恵方巻きを丸かぶりすると、
幸せが訪れるのだと
海苔巻きを作りながら、彼女は楽しそうに話していた。



女は行事が好きな生きものだと思う。



以前は自分の誕生日さえも忘れてしまうほど行事というものには無頓着だった。


美樹と一緒になってから、やれクリスマスだの、バレンタインだの節分だの一年で恒例行事がたくさん増えた。
まあそれも悪くないなと密かに思う。




「できたわよ!ファルコン。一緒に食べましょ」

「あぁ」

俺の目の前に大量の恵方巻きが、置かれた。
一本手に取ってみる。



「ふふ。ファルコンが持つと大きい恵方巻きが、小さなサイズに見えるわね」


美樹は笑いながら、

「今年は西南西が恵方らしいわよ。そっちの方角を見てかじるのよ」


と恵方を指さして、海苔巻きをひとかぶりした。

美樹が指差す方を見ながら、見よう見マネに海苔巻きをかじった。



「うまい」


俺はひとことつぶやくと、美樹はうれしそうに微笑んだ。




「さてと、キャッツを開店させなくちゃ」


言いながら席を立ち上がる彼女を見る。


お店に出ようと、彼女はその場を離れようとした。


その時、



「美樹」

俺は彼女の目の前に立ち、華奢な肩を掴んだ。

驚いてまん丸な目をして立ち尽くす彼女。


そっと形の良い唇に、
ゴツゴツした太い指を差し出し、
優しく触れて、唇から海苔を取った。


彼女は、少し赤くなりハッと我に返って
「あ、ありがと。ファルコン」
と笑った。


照れくさいので俺はそっけなく
「ん」
とだけ答える。



「…でも、ちょっとキスされるのかと思ったから、なんだか少し残念だったかな」

ペロリと舌を出しておどけるパートナーに


「はしたないことを言うんじゃない」


と顔を真っ赤にして、たしなめた。




こんな、節分の朝も…まあ悪くないと思った。






☆☆☆☆☆
美樹さんと海坊主さんの話です。美樹さんって超美人ですよね


今回はリョウと香ちゃんはでてきませんでした。すみません


美樹さんと海坊主さんのカップルも素敵ですよね


憧れです★★★




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