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―CHの二次小説を扱っていマス。
お嫁さんになってあげる(ほんのり甘め)
俺は夕暮れの公園にいた。
ズボンのポケットに手を突っ込んで歩いていると、
足元にピンクのボールが転がってきた。
そのボールを追いかけてこっちへ走ってくる一人の女の子。
少女を目で追っていると、駆けてくる途中、数メートル手前で見事に顔からコケた。
そんな姿を見かねて、ボールを拾って少女に駆け寄った。
「おい、大丈夫か?可愛い顔に傷つけたらお嫁に行けないぜえ」
転んで土がついた服を払いながら、女の子を立たせてやる。
年は小学一年生くらいだろうか?
せっかくの黄色いワンピースが少し汚れてしまった。
足元を見ると、右膝に絆創膏が貼ってあった。多分、やんちゃな女の子なのだろう。
顔をみると、
くせっ毛の茶色の髪に、大きな目。
―んぬっ!?誰かさんに似ている。
「ありがとう。おじさん。
もし、顔に傷がついたらおじさんお嫁さんにもらってくれる?」
まっすぐな瞳で、不安そうに俺を見つめる少女。
「ん?あぁ。どこにも行けなかったらもらってやるさ。ただし、いい子にしてとびきりのもっこり美女になるんだぞ」
言いながら頭をポンポンなでてやる。
少女はなんだかうれしそうに、
「じゃあさ、私もおじさんがずっと一人だったら、お嫁さんになってあげるね」
にかっと女の子は歯を見せて笑った。
なんだか素直で、まっすぐな彼女の気持ちが眩しくもあり、うらやましくなった。思わず目を細めてしまう。
「あっアニキだ!またね。未来のお婿さん。」
彼女はボールを持って、片方の手をぶんぶん振りながら、「アニキ」のもとへ走っていった。
ぱっと目を開いたらベッドの上にいた。部屋の窓から光が差して、お昼に近いらしい。
欠伸をしながら、上体を起こすとジトジトした目でこちらを見つめる香がいた。
「なに見てんのよ。香ちゃんのえっちー」
「えっちは己じゃ!!寝ながら笑ってたわよ。相当な美女の夢でも見てたんでしょうねえ。
そんなことよりさっさとお昼食べちゃってよねー!!」
そう言うと、香は階段をパタパタ下りて行った。
「…あぁホントに。とびきりの美女の夢だったな」
一人つぶやきながら、俺は大きく伸びをしてベッドから下りた。
☆☆☆☆☆
まさかの夢オチです!(笑
お嫁さんになってあげるというタイトルルから、勢いで書きました。
しかし、私が書く香ちゃんは転んでるな。
そういえば、いもこは最近転ばなくなったかも。
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