[携帯モード] [URL送信]

書く ―CHの二次小説を扱っていマス。
恋人はワイン色―R(後編ー微糖)
前編の続きです





俺は、ワインを片手にアパートに戻った。
リビングに靴を脱いで向かうと、電気が点いているが
アイツの姿がない。

「おい。香ちゃーん」


返事がない。
風呂か?


風呂場に静かに近づくが
電気が点いていない。

と、なると部屋で寝ちまったか?
階段を上がって
香の部屋をノックする。

反応がない。


まさか
さらわれたか!?
と少しドキドキしながら
屋上の階段を上がって扉を開く。


そこにはぽつんとワイングラスと一緒に地べたに座るパートナーの姿があった。


内心ほっとした。
(・・・なあに一人でこんなとこいるんだか。)


一歩一歩香に近づく。
なんだか、後ろ姿がいつもより小さく見えた。

(こんなにコイツ華奢だったけか。)
新宿の夜に
消え入りそうな背中。

消えないように
後ろから思わず抱きしめたい衝動に
かられそうになる。


「アニキも飲んでよ。二人で空けちゃおう」


香がつぶやいた。(・・・泣いてるのか?)


抱きしめたい気持ちとは裏腹に



頭にコツっと、ワインボトルを香の頭に当てた。




「ななな、なんでここにいるの!?飲みに行ったんじゃないの!?リョウ」
慌てる香の横にだまって腰をおろす。

「ん、あぁ。飲みにいったんだけど、ねこまんまの美咲ちゃんにフラれちゃったから帰ってきたの。
そんなことより
おまあこそ、屋上で酒盛りかよ。色気ねえなあ。」


素直にお前と飲むために戻ってきたとも
言えず、ついいつもの調子でからかってしまう。



「うっうるさいわね!飲む人がアニキしかいないんだから、しょうがないじゃない。誰かさんはいつも外いっちゃうしー。」

ふくれながら香は、目の前にある
チーズに手を伸ばす。


「…リョウそういえばさっきワイン持ってなかった?どうしたの?」


ワインを指差して、香は俺をのぞいてきた。
泣いていたのか、すこし涙目のようだ。
街の明かりが、香の大きな目に映る。


「これはねこまんまのママにもらったの。つうか、おまあこのワインはどうしたんだよ?
とりあえず俺の分くれよ」


どうにもコイツの前だと調子が狂ってしまう。素直になれず、思わず地べたに置いてあるグラスを手
にとり、ワイ
ンを口に含んだ。

「あっ!それアニキの!!ワインは美樹さんがアタシにくれたの!!いつも外に行っちゃうアンタの分はないのっ」
俺にとげとげしく言い放つ香。


そうか。コイツ寂しかったんだな。なんだかすこしニヤついてしまう。

「ふーん。なるほどね。香ちゃんは、ぼきがいなくて、寂しかった訳だあー」



「だっ誰がアンタみたいなもっこり男なんか!」
言いながらワインをグビグビ飲み干す香。



恥ずかしがるコイツが、なんだかいつになく可愛いらしく、思わず頭をかきまわして、立ち上がる。




新宿の街を見渡しながら、煙草をくわえて火を付けた。



座っている香を背にして



「おまあさ、もしも今日みたいに、一緒に誰かと飲みたい日とかあったら我慢しないで言えよなあ。
たまには素直に甘えたりしろよ。」


煙草をくわえて振り返ると、香は……



コクコク舟をこいで寝ていた。


「寝てんのかよ!?」
思わずコントのようなツッコミを入れる俺。



なんだかふっと気が抜けて、煙草を地面に押しつけて香の横に座る。



コクコク眠るパートナーの頭を、俺の肩にひき寄せてポンポンと頭をなでる






「子供みたいな奴だな」



くせっ毛の頭にキスをした。



すやすや無邪気な顔で眠るパートナーの頭を肩にのせて、起こさないようにそっとワインに手を伸ばした。



赤い色の液体を口に流しこむと、酸味と果実の甘さが広がった。


それ以上に、なんだかいつになく優しくて甘ったるいような…でも嫌いじゃない味がした。



今夜飲んだワインの味はきっと、忘れられないだろう。





☆☆☆☆☆
いよいよ後編アップしました。
なんだか物足りない感じですかね(笑


もっと甘甘にしたいのにできない。私の性ですかね…恥ずかしくてねえ。



ちなみに
余談ですがリョウちゃんがツッコミを入れた時は、さまぁず三村を意識しました。(笑

実はお笑い系!?





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!