ベーコン豆とカップそば
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「お腹空いたーご飯出来てる?」
不二子と食事に行く、と鼻息荒く帰って来たルパンは1時間と30分後戻ってきた。
「豆ならやってもいいぜ」
「まだカップそばが台所にある」
テーブルの上に置かれたベーコン豆とカップそばは、ここ数日で風景の一部に馴染んでいた。
このアジトに来てから彼らが買って来たものはベーコンとグリーンピースとカップそばだけ。きっと店員も覚えているだろう。
「…またベーコン豆とカップそばですか。身体に悪いですよ?」
「…女にふられて、」
「夕食を食い損ねた奴に言われたく無いでござる」
「キー!不二子ちゃんは忙しかっただけなの!てゆーかお前ら三日連続でそんな無精者料理食って何で平気なの!普通飽きるだろ!」
「む…」
「まぁ、少しはな。」
「ほらね!普通飽きるの!だから可哀相な俺にちゃんとした夕食作っ」
「じゃあ交換するか五右エ門」
「うむ」
「え」
ずるずるずる
もぐもぐ
「旨いじゃねぇか」
「ふむ…なかなか」
(そりゃインスタントと焼いただけだぞ!不味く作る方が難しいでしょ!)
「…もう良い、自分で作るから。」
「やだ」
「お前の料理って意味がよく分から無いんだよな組合せが」
「じゃあ作れよ!」
「男の料理(焼くだけ)なら」
「味噌も醤油が無いから無理でござる」
「む か つ く !」
結局、その日アジトのインターホンを押したのはピザ屋の若い男だった。
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