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慟哭(H×T)*


ゴンと鈍い音がした。
目の前が歪み足元がふらつくのを感じた。
ああ、壁に頭を叩きつけられたのか。

これから自分の身に起きようとしている事をまるで人事のように冷静になって考えているのは何故だろう。

(ああ、この状況をみても悲しむ彼はもういないからか)

目の前でにやりと笑う男の目はいつもみる灰色ではなく金色だ。


手荒に服を剥ぎ取らて男はそれを床に捨てると首筋に噛みついてきた。


「ぃっ…」

もう一度頭を強く殴らた所で本当に意識が飛びそうになり壁沿いに座り込んだ。

「ほら、何とか言えよっつまんねーなあ…」

そう言うと目の前の男……ハレルヤは後ろの蕾に手の伸ばしてきた。

「ああぁっ…」

「そうそう、もっと鳴けよっ」

慣らされていないそこに容赦なく指が2本3本と増やされていく。
痛くて目頭が熱くなるのを必死で抑えた。

(ロックオン……)

どうせなら抱かれるなら貴方が良かった。

どうしてだ。
僕はあなたが出てこないようロックをかけたというのに。

「はぁっ…っ痛、」

私の中をかき乱すこの指が貴方のだったら良かったのに。

ぼんやりと頭の片隅でそんなことを考えているとハレルヤが蕾から指を抜きそこに自身をあてがって一気に中まで貫いた。

「やっ、あっ、あああああぁっ」

思った以上の質量に耐えきれず涙が溢れ出した。

ハレルヤが勢いをつけて腰を突き上げてくるたびにそこに激痛が走った。

「あぁあっ、ぃっ、や、止めっ、て、お、ねが、い」

(これが、ロックオンだったら)

私は無意識のうちにまたそう考えてしまう自分を恨んだ。

「ぅっ、あ……はぁ、ん、あっ」

「お、そろそろ感じてきた?」


(違う違う違う違う!そんなんじゃないのに)


「あっ…う、ぁ、ロック、オン…」



(お願い、死んだなんて嘘だと言って…)





2008.03.26



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